筑能科技社から、ソーラーエアーヒーターの一般家庭向けの新製品が出たのでご紹介します。

ソーラーエアーヒーターは温風(熱)発生器なので、そのまま暖房に使うだけでなくタンクを追加してお湯も作れます。

ただ、そのようにすると採熱パネルは最低でも2枚は必要となり、一般的な家の屋根ではスペースを十分に取れないこともあります。

そこで、省スペースなシステムが望まれていました。

【究極の太陽熱利用】ソーラーエアーヒーターとは

暖房と給湯が同時に使える

太陽熱利用ではお湯を沸かすことがほとんどで、暖房にはほとんど使われていないことはご存じと思います。

もちろんできないことはありませんが、十分な熱量を確保するためには設備も大きくならざるを得ず、しかも春から秋までの期間は使いません。

どう考えても年間の半分以上使いませんから、このような設備は私のような、変わり者しかやりたがりません。

当たり前ですよね。(苦笑)

今回の製品はパネルが2枚セットで真ん中にヘッダーを配しているもので、これにタンクを追加すれば給湯も暖房もできるものとなっています。

そのため、標準型(横置き)と比較してかなりコンパクトな印象を受けます。

暖房と給湯が自由に切り替えて使えるますから、太陽熱利用をこれから考えている方は検討すべきではないでしょうか。

下のイラストは暖房用ですが、違和感がなくとてもうまく設置されていると思います。

一般的な施工例(暖房のみ)

動作の詳細は分かりませんが、このイラストを見る限り、標準型とは違って空気を

送り出すのではなく吸い込んでいるようです。

つまり、風管が1本で済むことになるので、このようにシンプルな設置が可能となるのでしょう。

いずれにしても、採用している螺旋真空管は内部を空気が通る構造になっていますからこのようなことも可能なわけです。

螺旋真空管

給湯をするためには専用のタンクを追加します。

PCM給湯暖房システムのイメージ

現在のところ、用意されているのは250Lだけのようです。

タンクは二重構造となっており、内側が250リットルの貯湯用、外側のタンクは採熱器からの熱風を循環させる空間としているため、304リットルと特殊な構造となっています。

温水温風タンク

差分の54リットルの空間に熱風が循環することで、水の温度を上昇させる、または温風を室内に送りこむことが自在にできるようになっています。

一般的な温水タンクは5cm程度のウレタン層で保温していますが、このタンクは更に空気層があるため保温性能は格段に良いのではないかと想像されます。

カプセル式タンク

採熱能力はどれくらいか

採熱パネルのバリエーションは、真空管の本数で50本(25×2)、60本(30×2)、80本(40×2)の3タイプが用意されているとのことです。

採熱能力については下表の左側に書いてあります。

中国語なのですが、数字は同じですから何とか理解できるのではないでしょうか。

<標準型50D58-2100D+250L貯湯・交換温水タンク>

これは、Φ58mm真空管60本と250Lの貯湯タンクの組み合わせでのデータとなっています。

カタログから抜粋

※参考:標準型の暖房の目安は30本のパネル1枚で50㎡です。(部屋の断熱構造で差があります)

(概要)

・名称 空気式太陽エネルギー集熱器

・集熱器 真空管径 Φ58mm 管長2100mm 単管通風能力 ≧6㎥/h.kpa ≧吸収率90% ≧放射比0.05

・集熱器占用面積 10.5㎡

・集熱効率 ≧55%

・電動ファン 風量570㎥/h(9.5㎥/分)

次に温風の出力データを見ていきます。

上の表は、計測した温度を時系列で表しています。(オレンジ色は晴天、青は曇天となっています。)

計測は20分間隔で行っていますが、最高で160℃に達しているのが分かります。

(参考)

【ソーラーエアーヒーター諸元】標準得熱量 30MJ(メガジュール)について

施工事例

写真は中国での施工事例ですが、中国ではすでに真空管式太陽熱温水器は十分に普及しているので、ソーラーエアーヒーターはほとんど暖房用とのことです。

一方、日本では太陽熱温水器の普及が非常に遅れていますので、新築やリフォーム時にリビングの暖房と給湯で使えば大幅な燃料節減になるはずです。

これは架台を使わずフラットに設置した事例です。真空管式の場合、全方向から光が入るので、日当たりさえ良ければあえて45度にしなくてもさほど問題ありません。

斜面に2セット連結した事例。

連結した設置事例

価格について

価格については以下の通りです。(送料・消費税は含まれません)

PCM採熱パネル一体型 60本(30×2)  550,000円

貯湯タンク 250L(304L)   250,000円

架台  20,000円

コントローラ   15,000円

※ このほか、電動ファンや風管、保温材、給湯用配管、ミキシング弁などが必要となります。

※電動ファンについては用意できますが、国産を使った方が静音性が高く安心です。(高いですが)

個人的な意見ですが、他社の真空管式太陽熱温水器(分離分割型)の300Lで80~100万円しますので、温水の容量は250Lですが、暖房もできるシステムでこの値段は格安と言えるのではないでしょうか。