寒くなると心配なのが、灯油や電気代の暖房費です。

燃料は国際情勢で大きく変動しますから、現在のように燃料費や電気料金が異常な高騰をしている状況では家計の大きな負担になっています。

そのため、できるだけローコストで快適な暖房があればと思うのですがなかなかそうもいかないのが実態です。

暖房と一口に言っても様々な方式があります。

快適を最優先に求めれば、床暖房や蓄熱暖房などがありますが、これは設備だけでなくランニングコストも際限なくお金がかかります。

ある方は、新築時に電気の床暖房を全室に入れたそうですが、あまりの電気代に使わなくなってしまったと言ってました。

そんなことを聞かされると、やっぱり床暖房は金持ちにしかできない設備だなと思わざるを得ません。

でも、実は私は太陽熱で床暖房(のようなもの)をやっていて、建築家の黒岩哲彦氏にお世話になって設置したものです。

未来の暮らしのヒントは「エクセルギー」!?建築家・黒岩哲彦さんに聞く、太陽熱や雨水、風の力を活かす暮らしかた

太陽熱利用ですから基本的に燃料費はかかりません。

もちろん、曇りや雨の日など太陽が出ない日もがありますので、その分は燃料や電気で暖房となりますが出費は少なくて済んでいます。

ただし、この方式も設備代がかかるのと、太陽熱温水器で水を温め循環させているので漏水とか耐久性に不安があります。

なので、非常に優れた暖房方式だとは思うのですが、これから太陽熱で暖房を検討している方には、別な方法を提案いたします。

(目次)

1.ソーラーエアーヒーターで蓄熱暖房

2.動くものは電動ファンだけ

3.PCM採熱器はメンテナンスがほとんど不要

4.まとめ

1.ソーラーエアーヒーターで蓄熱暖房

私が提案したいのは、ソーラーエアーヒーター(太陽熱温風器)を使っで蓄熱暖房することです。

太陽から得た温風をそのまま使うのではなく、床下に敷いた砕石に熱を蓄熱させ、底から出る輻射熱で温めると言うものです。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 21dc9114ba70507570fe25695f32573f-2.jpg

一般的にソーラーエアーヒーターを暖房で使う場合には、下図のようなイメージとなるのですが、エアコン暖房と同じように、空気が循環するので嫌がる人が多いのです。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 58ef21ad521275def87fb8650628ecb2-1024x514.jpg

空気は簡単に温まりますが、冷めるのも早く、蓄熱暖房(輻射熱)のような温かさを感じません。

そして、問題なのはコスト。

設置にも多額のお金がかかるだけでなく、ランニングコストも半端ではないお金がかかります。

それに、暖房は夏は使わないので、年間を通した考えると非効率で贅沢そのものの設備です。

そんなことから、暖かく快適で、ランニングコストが安い暖房はないものかとずっと考えていました。

しかし、これまでの技術でやろうとするならまず無理なので、私のやっている太陽熱暖房(エクセルギー暖房)をヒントにして考えてみました。

太陽熱温水暖房(エクセルギー暖房)の仕組み

エクセルギー暖房は、採熱器と床下の貯湯タンクを循環させる配管やポンプ、制御盤(コントローラ)も専用のものが必要となりますので、単純のように見えてもかなりの費用がかかります。

それに、このシステムを組むには高度な専門知識が必要になるので、素人がメンテナンスをするようなわけにはいきません。

この方式の最大のメリットは、家全体が暖かくなることです。

床と壁・天井までがほぼ同じ温度になりますから、一般的な暖房システムとは違ってとても快適です。

なので、各部屋の仕切りはほとんど要りません。

欠点は水を使うことです。

太陽熱温水器(採熱器)を使い、お湯の移動によって熱エネルギーを床下に移動させるのはメリットでもあるのですが、そのための配管の漏水や凍結などの懸念が常時つきまといます。

なので、北海道のような寒冷地では凍結して使えません。

せいぜい私の住む北関東まででしょう。

2.動くものは電動ファンだけ

そこで、ソーラーエアーヒーターを使えばその問題は一挙に解決します。

イメージ図をご覧ください。

少し具体的に説明します。

採熱は屋根に設置したソーラーエアーヒーターから、電動ファンで温風を床下の砕石に送り込みます。

送風時間は、朝の9時~午後3時半くらいまで、タイマーを使って20~30分間隔、5~10分程度の運転します。

たったこれだけです。

必要な設備、材料は以下のようなものです。

  1. ソーラーエアーヒーター
  2. 電動ファン(シロッコファン)
  3. 配管材(鋼管・ステンレス)
  4. 保温材 グラスウールなど
  5. 4号砕石
  6. 間欠タイマー

 

以下は参考ですが、上記の製品は真空管60本なのでこのようなデータとなります。

 

 

床下に敷いた砕石の中に鋼管を配置し、ソーラーエアーヒーターからの温風を送り込むことで、砕石に熱が移動(蓄熱)、徐々に輻射熱を発生します。

 

3.PCM採熱器はメンテナンスがほとんどない

煖房器具は当然ですが冬の間しか使いません。

そうなると、ソーラーエアーヒーターは春から秋までの間は大丈夫かと不安な方もおられると思います。

太陽熱温水器では、使い続けないと過集熱で壊れてしまうことがありますが、採熱に使われているPCM(相変化材料)は、放置しておいても能力以上の蓄熱はしません。

 

この写真は、3年半ほど経過した時点で内部を点検しましたものです。

全く劣化は見られませんでした。

 

もちろん、固定しているプラスチックのキャップなどは劣化するとは思いますが、メンテナンスはほぼ要りません。

万が一、PCMに問題があるようなら抜き取って交換するだけです。

 

4.まとめ

燃料を燃やせば簡単に暖をとれますが、太陽熱を利用する場合にはかなりの技術と知識が必要になります。

そのためか、太陽熱利用が一部にしか普及しないのが実態です。

しかし、地球温暖化で気候変動が顕著になっている状況では、いずれ取り組まなければならない課題ではないでしょうか。

 

私のやっているエクセルギー暖房は、ランニングコストは最小ですが、設備費に多額のおお金がかかります。

水を使っているため、採熱器だけでなく配管の錆びや水漏れ、劣化、あるいは電気設備等々を考えれば到底素人には扱えません。

今のところ大きな問題は発生していませんが、将来は分かりません。

ソーラーエアーヒーターは、水を使わないため漏水の不安もないし、配管も簡単。

仮に真空管が破損しても交換は素人でもできますし、電動ファンは滅多なことでは故障しませんから仮に交換することなっても自分でできます。

 

ま、このようなことを披露しても、太陽熱で暖房するなどと勇気のいることは誰もやらないことは分かっています。(苦笑)

これまでがそうでしたから。

でも、実行してみたい方はお問い合わせください。

とちぎエネット 

メールアドレス:tochigi.ent@gmail.com