寒くなると心配なのが暖房費でが、寒い季節に快適を求めれば際限なくお金がかかります。

なかでも床暖房や蓄熱暖房は、設備費がかなりの高額だけでなくランニングコストも大きく、まさにお金持ちの暖房方式と言えるでしょう。

 

私は、ランニングコストが少ない太陽熱暖房をやっていますが、暖房代(灯油代)は真冬でも月に40ℓくらいしか使いません。(給湯は別)

もちろん、大寒波が来るなど天候によっても変わってきますが、昨年まではそんな感じでした。

 

太陽熱暖房ををやる前は、灯油を最低でも120ℓ(灯油缶6~7本)以上使ってました。

建ててから30年以上だったので、断熱構造も悪かったのでしょう。

寒くて寒くて、何台もストーブを使っていました。

 

そんな理由から太陽熱暖房をしたわけですが、設備費が予想以上にお金がかかってしまい退職金が少なくなってしまいました。(苦笑)

 

ま、その後はそれを仕事にして技術的なノウハウを得ているので損はないと思っています。

使っていて感じることは、メンテナンスを含めたランニングコストの重要性です。

 

太陽熱暖房は単純なシステムですが、メンテナンスに関しては未知数です。

動かす機器(コントローラやポンプ・バッテリーなど)が何年持つのか、壊れたら交換が可能か、その費用はどれくらいなのか。

今のところ、バッテリーの交換程度で済んでいますが、今後は分かりません。

 

今冬で9年目、今のところ順調ですから少なくとも15年、できれば20年は使いたいですね。

その時は私も85歳、生きているかどうか分かりませんが。(笑)

 

そんなわけで、これから太陽熱で暖房を検討している方には、私のように多額の経費を使わない暖房を提案いたします。

ローコストでメンテナンスフリー、そして部品の交換も自分でできる蓄熱暖房を考えて見ました。

どんなに素晴らしいものでも、専門家のお世話にならないとメンテナンスできないものでは高くつきます。

新築やリフォームの時に考えてみてください。

 

(目次)

1.ソーラーエアーヒーターで蓄熱暖房

2.動くものは電動ファンだけ

3.PCM採熱器はメンテナンスがほとんど不要

4.まとめ

1.ソーラーエアーヒーターで蓄熱暖房

私が提案したいのは、ソーラーエアーヒーター(太陽熱温風器)で蓄熱暖房することです。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 21dc9114ba70507570fe25695f32573f-2.jpg

 

ざっくり説明すると、床下に敷き詰めた砕石に温風を送ることで熱を蓄え、そこから発生する輻射熱により家を暖めるものです。

一般的にソーラーエアーヒーターを暖房で使う場合には、下図のようなイメージとなるのですが、エアコン暖房と同じように、空気が循環するので嫌がる人が多いのです。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 58ef21ad521275def87fb8650628ecb2-1024x514.jpg

また、空気を温めるのは冷めるのも早く、輻射熱暖房のような温かさを感じません。

そのため、床暖房や蓄熱暖房(電気)が人気があるわけです。

 

そこで問題なのはコスト。

設置にも多額のお金がかかるだけでなく、ランニングコストも半端ではないお金がかかります。

それと、夏は使わないのも非効率で贅沢そのもの。

 

そんなことから、暖かく快適、ランニングコストが安い暖房はないものかとずっと考えてました。

しかし、これまでの技術でやろうとするならまず無理。

なので、私のやっている太陽熱暖房(エクセルギー暖房)をヒントにして考えてみました。

太陽熱温水暖房(エクセルギー暖房)の仕組み

エクセルギー暖房は、採熱器と床下の貯湯タンクを循環させる配管やポンプ、制御盤(コントローラ)も専用のものが必要となりますので、単純のように見えてもかなりの費用がかかります。

それになんと言っても高度な専門知識が必要になるので、素人がメンテナンスをするわけにはいきません。

 

この方式の最大の利点は、家全体が暖かくなることです。

床と壁・天井までがほぼ同じ温度になりますから、一般的な暖房システムとは違ってとても快適です。

なので、各部屋の仕切りはほとんど要りません。

 

最大の欠点は水を使うこと。

太陽熱温水器(採熱器)を使い、お湯の移動によって熱エネルギーを床下に移動させるのはメリットでもあるのですが、そのために配管の漏水や凍結などの懸念が常時つきまといます。

そのため、北海道のような寒冷地では凍結して使えません。

せいぜい私の住む北関東まででしょう。

2.動くものは電動ファンだけ

凍結や漏水、この問題は水を使う限り発生しますが、ソーラーエアーヒーターを使えばその問題は解決します。

採熱はエクセルギー暖房と同じように、タイマーを使って20~30分間隔で5~10分程度の運転とすれば良いように思われます。

なお、必要な設備、材料は以下のようなものです。

  1. ソーラーエアーヒーター
  2. 電動ファン(シロッコファン)
  3. 配管材(鋼管・ステンレス)
  4. 保温材 グラスウールなど
  5. 4号砕石
  6. タイマー

ソーラーエアーヒーターの暖房の目安は、標準のパネル(真空管30本)1台当たり30~50㎡がとされています。

しかし、地域や建物の断熱構造でも大きな差がありますので、最小の30㎡くらいに考えておくのが無難です。

蓄熱は、床下に敷いた砕石の中に鋼管を配置し、ソーラーエアーヒーターからの温風を送り込みます。

こうすることにより、砕石に熱が移動(熱交換)し、徐々に輻射熱を発生します。

蓄熱するまで時間はかかりますが、一度温まってしまえば冷めるのはかなり時間がかかると考えられます。

 

3.PCM採熱器はメンテナンスがほとんど不要

煖房は冬の間しか使わないので、春から秋までの間は大丈夫かと不安な方もおられると思います。

採熱に使われているPCM(相変化材料)は、放置しておいても能力以上の蓄熱はしませんので安全です。

3年半ほど経過した時点で内部を点検しましたが、全く劣化は見られませんでした。

 

真空管式太陽熱温水器の場合は、常時使っていないと過集熱でヒートパイプやアルミフィン・ガスケットなどが傷みます。

このような心配がないことも大きな利点です。

ただ、冬以外の機関に放置しておくのはもったいない。

できれば、農産物の乾燥などに利用できれば遊ばせることが無くなります。

4.まとめ

燃料を燃やせば簡単に暖をとれますが、太陽熱を利用する場合にはかなりの技術と知識が必要になります。

そのためか、太陽熱利用が一部にしか普及していません。

 

しかし、地球温暖化で気候変動が顕著になっている状況では、いずれ取り組まなければならない課題です。

私のやっているエクセルギー暖房は、ランニングコストは最小ですが、設備費に多額のおお金がかかります。

水を使っているため、採熱器だけでなく配管の錆びや水漏れ、劣化、あるいは電気設備等々を考えれば到底素人には扱えません。

今のところ大きな問題は発生していませんが、将来は分かりません。

 

ソーラーエアーヒーターなら水を使わないため漏水の不安もないし、配管も簡単。

仮に真空管が破損しても、交換は素人でもできます。

※ただし、安全な場所に設置する必要があります。

それから、温風を送る電動ファンは滅多なことでは故障しません。

仮に交換することなっても安価で、自分でできます。

ま、このようなことを披露しても誰もやらないことは分かっています。(苦笑)

これまでがそうでしたから。

でも、世の中は広いので勇気のある人もいるかと思います。

実行してみたい方はお問い合わせください。

 

(関連記事)

【究極の太陽熱利用】ソーラーエアーヒーターとは