既に報告したことですが、筑能科技社は貯湯タンクの製造を止めてしまったので、ソーラーエアーヒーターでお湯を沸かすことができなくなりました。
なぜ止めてしまったのかは不明ですが、需要が少なかったことが一番の理由だったようです。
中国では日本のようにお風呂に入る習慣がありませんし、お湯を沸かすための太陽熱温水器は既に普及していることもあります。
しかし、そうは言っても日本ではお湯が沸かせないと困るので、色々と考えました。
太空1号(ヒートポンプ)でお湯を沸かす方法
結論から言いますと、太空1号(ヒートポンプ)に分離分割型の太陽熱温水器の貯湯タンクを繋げば簡単にお湯が作れることが分かりました。


詳しく説明する前に、太空1号(ヒートポンプ)のシステムを確認しましょう。

この図を見ると、右の上下に供水及び回水との記載があります。
供水の温度は60℃。
このイラストには、水を供給するタンクがありませんが、これは別途用意してあるそうです。
つまり、熱いお湯が循環するのであれば分離分割型の太陽熱温水器の貯湯タンクが使えます。
なぜかと言うと、タンク内で熱交換する仕組みだからです。
以下が、分離分割型の貯湯タンクの構造図です。

もう少し詳しく説明すると、タンクの中間にコイル状の配管があり、採熱器からくる温水(循環水)をここで熱交換する仕組みとなっています。
つまり、このラインをヒートポンプの供水と回水と置き換えれば良いわけです。
もう一つの方法は、エコキュートのタンクを流用することです。
以下の図は、エコキュートのシステム図ですが、ヒートポンプから2本の管(供水と回水)が出ています。
エコキュートも同じ仕組みでお湯を沸かしているわけですから同じように使うことができるはずです。

まとめ
以上、2通りの案を考えましたが、このようなシステムがを組めれば一年中、24時間、給湯から暖房まで賄うことができます。
さらに、電源をソーラー発電にすることで100%自然エネルギーにすることもできます。
中心となる太空1号は、写真ではかなり大きいようにも見えますが、一般家庭用の小さいものがあります。
サイズは、高さ1306mmX奥行406mmX幅1410mmですからそれほど大きくはありません。

心配なのは、ソーラーエアーヒーターはローテクなので故障はありませんが、ヒートポンプはハイテクな電子部品で作られています。
実際には、どこかの企業が国内向けに製造してくれないと輸入販売は無理で、故障したときの対応ができません。
期待としては、長野県の企業にソーラーエアーヒーターをお買い上げいただいているので、もしかするとやってくれるかもしれません。
ま、厳しい評価となるかもしれないので大きな期待はしないでおきますが、自然エネルギー利用はこれからの時代に必要な技術です。
特に、太陽エネルギーをいかに活用できるか。
筑能科技社は、ヒートポンプの技術に関して既に日本を超えたと言っています。
近いうちにサンプルとして太空1号を取り寄せることも考えています。
コメント
興味深く拝見させていただきました。
メーカーが製造を止めた貯湯タンクとは、以前紹介されていたカプセル式タンクの事ですよね?
これって電気温水器を調達して、外装を外して別途断熱材を貼った外装を作れば転用できるのではないですか?
屋内なら一般的な建材で箱を作っても可能かと・・。
深夜電力契約が残っている方なら、ヒーター機能を残して深夜から早朝は安い電力で温水を作っておくことも可能でしょうし。
メーカーの保障上は問題でしょうけれど。
PCM素材にも興味を持ちましたが、これ自体はまだまだ高価な物のようですね。
真空ガラス管だけで温風を得て、日中の余剰な熱量を温水として蓄熱して日没後に放熱させて暖を得るというのはどうでしょうか?
確かに、温風でお湯を沸かす(熱交換)する場合には電気温水器のタンクが流用できるかも知れません。
内部はステンレスでしょうから、外側に温風を回せばそれなりに温度は上がるはずです。
>真空ガラス管だけで温風を得て、日中の余剰な熱量を温水として蓄熱して日没後に放熱させて暖を得るというのはどうでしょうか?
残念ながら、真空管の温風だけでは大した熱量は取れません。実験を重ねているメーカーもありますが、現在のところ筑能科技社だけがPCMで成功しているようです。