とちぎエネットです。
分離分割型はタンク一体型と違い、熱交換のための循環系が別途必要になります。
そのために複雑で設置が難しいと思われているようですが、ポイントを抑えれば決してそのようなことはありません。
むしろ、ワークステーションの機構を理解してしまえば、タンク一体型よりも設置が簡単にできます。
値段が高いだけではないのです。
- 全体構想
- タンクとワークステーションの位置を決める
- コントローラの取り付け
- 接続部品の調達
- 採熱器の組み立て
- まとめ
1 全体構想
分離分割型は、下図のような構成となります。
分離分割型の採熱方式は非常に単純で、貯湯タンクと採熱パネル間にパイプで水を循環させ貯湯タンク内で熱交換する仕組みです。
そのため、貯湯タンクと循環系は完全に分離されているので「分離分割型」と呼ばれています。
採熱はタンク内の水温と採熱器の温度差が8℃になると循環ポンプが作動し、貯湯タンク内で熱交換して4℃差になると停止します。
これを繰り返すことで徐々にタンク内の水温が上昇します。
ちょっと見た目にはワークステーションがあるので複雑そうに見えますが、基本的には工場で組みたてるので、指示通りに配管し、若干の電気配線をするだけです。
2 タンクとワークステーションの位置決める
作業の手順は、最初にタンクの位置とワークステーション、コントローラの位置を決めます。
これはできるだけ近い位置にするようにしてください。
そうしないと、無駄に配管が長くなったり温度センサーコード(3m)が届かなくなったりします。
また、タンク周りはフレキ管を使うと楽に設置できます。
3 コントローラの設置
コントローラは、ディスプレイと本体に分かれています。
本体はワークステーションの側に設置し、ディスプレイは3mのコード付属しているので、その範囲で取り付けます。
本体への接続は、以下のように接続すれば間違いありません。
センサーコードのうち、T1は採熱器との接続ですが、付属品は1.5mのため必要な分の延長コードを別途購入する必要があります。
なお、T2のコードは3mありますのでその範囲内にするようにします。
循環ポンプ本体側の接続です。
4 接続部品の調達
タンク及び採熱器の仕様は基本的に3/4となっていますが、循環系の配管は13Aで良いかと思います。
20Aのパイプで配管するなら異径ソケットなどの部品が不要ですが、太いパイプは取り回しが難しいことやコストも上がるのであまりお薦めしません。
また、太いものを使っても採熱に関してはほとんどメリットがないと考えています。
採熱器及びタンク周りは前述のしたように3/4の径となっていますから、13Aにする場合には異径ソケットを使って変換します。
なお、ボールバルブなどは付属しませんので必要に応じて用意してください。
5 採熱器の組み立て
今回はスタンド型ではなく屋根用なので非常に簡単なものです。
しかし、上下を固定すれば、ヘッダーと真空管で剛性も十分に確保されます。
ここでの注意点は以下の通りです。
1)フレームは正確に直角に組み立てる
2)フレームとヘッダーの孔を平行にする
3)真空管がうまく入らないときはヘッダーの角度を調整する
6 まとめ
今回はユーザー様(西郷ゆば工房)が施工することになっていましたが、忙しいとのことで基本的な部分のみをお手伝いをしました。
分ったことは、タンクへの接続や採熱パネルなどの組み立てまではさほど抵抗は無いようですが、循環系の配管とワークステーションの設置に不安があるようでした。
特に難しいわけではないのですが、やはり経験したことのないことは敬遠されるようです。
この点に関しては、今後正確な仕様書を準備することにいたしました。
分離分割型は、タンク一体型とは違って自由な設置ができる発展性のある機種です。
家庭用はもちろんですが、本来は業務用としてお使いいただきたいものです。
西郷ゆば工房は、2019年5月からの営業開始と伺っています。
真空管式太陽熱温水器で大幅な燃料費削減が期待されますが、果たしてその効果は?
もし機会がありましたらご報告させて頂きます。
真空管式太陽熱温水器販売中止のお知らせ
大変残念なことですが、真空管式太陽熱温水器の販売を2020年3月をもって終了しました。
購入を予定されていた方には大変申し訳ございません。
なお、これまでお買い上げいただいた方へのフォロー、メンテナンスはこれまで通り行いますので心配はご無用です。
また、当記事のような分離分割型については、ソーラーエアーヒーターを使った給湯システムをぜひご検討ください。
ソーラーエアーヒーターは、凍結の心配も無く、どのような寒冷地でも使えます。
給湯から暖房まで、太陽熱利用はDIYでローコストに実現できる時代となりました。