ソーラーエアーヒーターは熱発生器として非常に魅力的ですが、問題なのはメーカーが貯湯タンクを作らないこと。

先日も、暖房と給湯を同時に実現する記事を書きましたが、実は現在のところ温水タンクは在庫切れで手に入りません。

【暖房と給湯】ソーラーエアーヒーターで同時に行う方法を解説します

すでに複数注文が入っており、お待ちいただいている状況ですが、今後確実に入手できるとは思えません。

したがって、キャンセルになる確率が高いです。

そんなことでは商売にはなりませんから、他の方法で給湯ができないかと考えました。

簡単に言うと、エコキュートを使う方法です。

具体的にどうやって繋ぐのか、それを解説します。

これがうまく行くと、極寒冷地でも普通にエコキュート使えるようになるだけでなく、深夜電力を使わずに済むはずです。

ヒートポンプとは

その前に、まずはエコキュートの肝であるヒートポンプの原理を理解しないといけません。

ヒートポンプとは、エアコンなどもに使われている技術で、電気を使って空気を圧縮し、熱を発生させる仕組みです。

以下の図をご覧ください。

出典:一般財団法人 ヒートポンプ・蓄熱センターから

エコキュートでは以下のようになります。

出典:中部電力 電気でできる快適生活から

実際の製品は以下のようになります。

中国電力 ぐっと・ずっと。WEBから

エコキュートの構成は、貯湯タンクと室外機(ヒートポンプ)に分かれています。

この室外機で熱を発生させ、その熱を使ってお湯を沸かすわけです。

私は、これまでヒートポンプにはあまり興味がなかったので改めて調べてみました。

環境技術解説 ヒートポンプ

詳細は記事を読んでいただくとして、この記事の中で興味深かったのは、以下の部分です。

通常ヒートポンプ給湯機を利用する場合は、ピークシフトにより深夜の安い電力でお湯を沸かして貯湯することが多い。

だが、ヒートポンプ給湯機は、温度差が少ない(外気温が高ければ高い程)効率的にお湯を沸かすことができる。

また、一般的な家庭ではお湯を夕方から夜にかけて利用することが多いため、昼間に太陽光発電を利用してお湯を湧かして使用までの貯湯の時間が短くてすむと、それだけエネルギーのロスを減らすことができる。

「温度差が少ない(外気温が高ければ高い程)効率的にお湯を沸かすことができる。」

これが事実なら、ソーラーエアーヒーターが使えるというより、大きなメリットであると思われます。

つまり、日中はソーラーエアーヒーターからの熱で効率よくにお湯を沸かせるだけでなく、夜間もPCMからの熱で24時間使えます。

接続は室外機までダクトを配管しておけば、室外機のファンが回ることでソーラーエアーヒーターからヒートポンプに温風が送り込まれます。

高い温度の空気なので、僅かの電気で所定の温度に到達するはずです。

しかも、ソーラーエアーヒーターは外気温に関係なく、氷点下20度とかの極端な低温でも暖かい空気を作ることができます。

以下の図は、暖房と給湯が同時にできるシステムを考えたものです。

実際には細かな部分では検討するものもあるかとは思いますが、どう考えても簡単そうです。

それから、エコキュートもソーラーエアーヒーターも、空気を熱媒体にしているので相性は特に問題ないはずです。

しかし、ソーラーエアーヒーターは最高160℃もの熱風が出るので、そのまま室外機に入ると壊れてしまうかも知れません。

でも、最高で90℃のお湯を作ると書いてあるので、空気はかなりの高温になるはずです。

せいぜい、吸気ファンを耐熱用に取り換えるくらいで済んでしまいそうです。

課題とまとめ

エコキュートは省エネで売っていますが、実際は安い深夜電力を使っているため請求が少ないだけです。

確かに従来の電気温水器に較べれば大幅に省エネでしょうが、まともに使ったら安くはありません。

また、北海道のような極めて寒い地域では効率が悪いことも指摘されています。

温度差が小さければ(外気温度が高い)効率が良く、大きい(外気温度が低い)と効率が悪いとは、このことを指しているわけです。

どうやらエコキュートの弱点を、ソーラーエアーヒーターを追加することで克服が可能なようです。

すでにエコキュートは広く普及しており、簡単に手に入ります。

そうなれば、中国から温水タンクを輸入しなくてもよくなります。

また電気の消費量が大幅に少なくなるのであれば、日中に沸かしても問題がありません。

24時間効率的にお湯を作れますから、大幅に使い勝手が良くなります。

そして、さらに太陽光で自家発電をするなら、ほぼ100%のエネルギー自給ができます。

灯油が無くなった、ガスが値上がりして大変、などと心配する必要もありません。

全てがボタン一つでできるようになります。

ぜひ実現したいですね。