ソーラーエアーヒーターは熱発生器(温風)ですから、暖房することは朝飯前ですが、お湯を沸かすのも実は簡単です。

今回は、そこを詳しく書いてみたいと思います。

(目次)

1.採熱器選び

2.カプセル式タンクの特徴

3.暖房と給湯を同時にするには

4.まとめ

採熱器選び

まず、ソーラーエアーヒーターの機種選びですが、暖房と給湯の両方をやるなら標準型よりも、ヘッダーが真ん中にあるタイプが簡単で良いでしょう。

標準タイプのように何台も連結する手間も省けるのも大きなメリットです。

ヘッダーとは、風を通すための単なる金属の筒です。

ここに風を通すと真空管内の熱が出てくる仕組みで、電気で動かす装置は一切入っていないので故障などとは一切無縁です。

型式は2種類あります。

<ヘッダーが中央にあるタイプ>

50本(25×2)、60本(30×2)、80本(40×2)タイプが用意されています。

私のお薦めは、50本か60本です。

80本は、一般家庭で使うにはちょっと大きすぎるように思います。

また、40本(20×2)タイプもカタログにはありますが、現在のところ生産されてません。

<標準タイプ>

こちらは単品での使用から、大規模な施設まで使える標準仕様の製品です。

真空管の数は30本になります。

もちろん屋根にも設置は可能ですが、どちらかと言うと地上設置に向いています。

このタイプのメリットは、熱量が足りない場合に採熱パネルを追加するのが簡単なことです。

やり方は、横に連結していくだけ。

どちらを選んでも、採熱量は真空管の数に比例しますので好みで選んでも間違いはありません。

カプセル式タンクの特徴

ソーラーエアーヒーターの場合、熱媒体が空気なので太陽熱温水器と同じ構造のタンクは使えません。

太陽熱温水器に使われる貯湯タンクは、内側にステンレスのインナータンクがあり、その外側をポリウレタン層で保温する構造になっています。

以下の図は、分離分割型の太陽熱温水器に使う貯湯タンクです。

インナータンク(ステンレス製)の外側に、5cmほどのポリウレタン層があり、これで保温をしています。

では、カプセル式タンクとはどのようなものでしょう。

タンク容量250L

構造は次のようになっています。

カプセル式タンクの構造

内側から

1.ステンレスタンク

2.熱風循環層

3.保温層(ポリウレタン)

4.カバー(亜鉛メッキ鋼板)

何が違うかと言えば、熱風循環層がステンレスタンクと保温層の間にあることです。

分離分割型の太陽熱温水器では、ステンレスタンクの内部にコイル状の配管で熱交換します。

しかし、カプセル式タンクでは熱風をステンレスタンクの外側に回し、そこから熱交換します。

熱交換方式の優劣を考えると、カプセル式タンクの方が熱交換面積が大きいので有利と思われます。

私が特に注目しているのは保温性能です。

これは圧倒的にカプセル式だと思っています。

なぜかと言うと、熱風循環層があることによって、インナータンクからの放熱がかなり防げると考えられるためです。

その理由は、静止した空気は熱を通さない性質を持っているからです。

つまり、2重に保温層があることになるわけです。

ま、実際に使ってみたわけではありませんので確たる話ではないですが、一応サーモプロテクトで経験済みなので。

熱を保存するのは、一般的に考えられているよりも難しい技術です。

毎日のように使っているポット(魔法瓶)は非常に素晴らしいもので、あれを考えた人は偉いです。

暖房と給湯を同時にするには

さて、太陽熱で暖房しながら給湯も実現したい。

これができれば燃料費や電気代が大幅に少なくなりますから、そんな技術があるなら誰でもやってみたいと思うことでしょう。

私は給湯も暖房も太陽熱でやっていますが、別々です。

両方を同時に行うのはこれまでの技術、発想ではではかなり難しかった。

ところが、ソーラーエアーヒーターに温水タンクを加えると簡単にできてしまいます。

なぜ簡単なのか。

それは空気が熱媒体だからです。

水を使って熱を保存する(お湯にする)方式では、できないことはありませんが非常に大掛かりな設備となってしまいます。

この図は、メーカーの推奨する温水暖房システムのイラストです。

非常にシンプルな構成で給湯と暖房ができるようになっています。

しかし、気になるのは熱量不足時(雨や曇りの日など)の補助熱源です。

図では補助熱源に電気ヒーターを使っていますが、日本ではこれをやる人は皆無でしょう。

それから、熱風を吸気するので耐熱型のファンを2台用意する必要があります。(コストが高くなる)

そのため、以下の図のように考えてみました。

給水配管も含めた形で表現した図ですが、こちらの方がより現実的かと思います。

電動ファンは、同じく2台(暖房用と給湯用)使います。

2台とも普通のシロッコファンで大丈夫かと思いますが、暖房用は耐熱型にしておいた方が無難かと思います。

熱交換中に暖房するわけですから、熱い空気が来ると故障の原因にもなりかねません。

運転は特に難しいところはありません。

給湯用のファン(左上)の運転は、タイマーで朝の8時ごろから夕方の6時くらいまで行います。

運転時間は、20分間隔で5分行います。

※タイマーは、インターバル設定ができるものを用意します。

この設定はメーカーの採熱試験結果に基づいたものですが、私のやっている太陽熱暖房も同じようなので、まず間違いありません。

真空管60本モデルの採熱能力

暖房は、必要な時にスイッチを入れます。

温度センサーを付けておき、設定温度でオンオフさせるようにします。

温度センサーは3千円くらいで売っています。

これで、実に簡単に暖房と給湯が実現できました。

しかし、100%太陽熱で暖房と給湯ができるわけではありませんから、足りない分は一番身近な燃料で対応すれば良いと思います。

まとめ

いまさら言うまでもないことですが、今後も石油の価格は上がり続けているだけでなく、日本に入って来なくなることもあるかもしれません。

杞憂かも知れませんが、現在の情勢を考えるとそれほど荒唐無稽な話ではなさそうです。

ましてや賃金が下がり、所得も少なくなっている中で、石油製品の値上がりは生活に直結します。

私は、そんな国際情勢やらに影響されない生活をしたいと思って太陽熱利用をやってきました。

【7月の灯油代はほぼゼロ】太陽熱利用で地球温暖化を止めよう

おかげで1/3くらいの燃料消費量にはなりましたが、それでもこのところの灯油の値上がりには溜息しかありません。

いくら太陽熱利用を進めても、燃料を全く使わないところまではいきません。

でも、近い将来に太陽光発電がさらに効率化されれば100%エネルギーを自給できるかも知れません。

太陽熱+自家発電

そのためには、太陽熱利用をさらに進化させておきたいものです。

電気でお湯を沸かしているようではいけませんね。