こんにちは、とちぎエネットです。

太陽でお湯を沸かせたらと思っている人は多いと思いのではないでしょうか。

太陽熱温水器を使えば、ガスや灯油などの燃料が大幅に減るので家計にとっても大助かりなはずです。

しかも、燃やさないので火事になる心配もありません。

でも、屋根にタンクの付いた太陽熱温水器を載せるのはどうにも抵抗がある。

大変だし、管理もできないし、格好悪いし、不安・・・

古い太陽熱温水器

あなたの考える太陽熱温水器は、こんな写真のようなイメージでしょうか。

これはすでに使われてはいないようですが、タンクの容量は100Lくらいかな?

2台で200Lですからかなりお金をかけていますね。

ある発明で有名な先生によれば、日本で普及しない一番の原因は格好が悪すぎるのだそうです。

一方で、先生は太陽熱温水器は大好きだと言っていましたが。(笑い)

私もそんなものかなとも思うこともありますが、あまり説得力を感じません。

むしろ、普及しないのは格好よりも単純に知らないだけではないかと思うんですね。

実際に真空管式の太陽熱温水器の実力を知ると、こんな凄いものをこれまでなぜ使わなかったのか。

もっと早く教えてくれればエコキュートなんて買わなかったのに・・・

そう言われる方がほとんどです。

  1. タンク一体型は重い
  2. 採熱器の軽い分離分割型
  3. 熱交換システムが優れている
  4. タンクが保温できる
  5. 採熱器・タンクとも目的に応じて選べる
  6. まとめ

1 タンク一体型は重い

それではどんな太陽熱温水器なら安心して使えるのでしょうか。

一般的なのは「タンク一体型」と呼ばれるもので、採熱器と貯湯タンクが一体となっているものです。

構造が非常に単純、価格も安くお手ごろです。

当初は私もこれが合理的で一番と思っていたのですが、実際に設置してみると色々と問題のあることに気が付きました。

その大きな要因は重さです。

太陽熱温水器は、圧力型の200Lタイプだと単体でも120kg以上、水が入れば320kgもの重さになります。

これを屋根に設置した場合、この程度の重さで屋根が凹むことは無いとは思いますが、いくらなんでも重過ぎないでしょうか。

また、これを屋根に持上げるのが非常に大変なのです。

形状も丸いタンクなので持ちづらく、もし落としてしまったら大損害ですし、周囲に被害が及ぶのは確実です。

そのため、2階の屋根であればクレーンを使うことが安全のためにも望ましいのですが、その分費用がかかります。

もう一点、耐用年数が来た時に廃棄処分が大変です。

1階ならまだしも2階の屋根だと、やはりクレーンを使わなければ危険です。

そうなると廃棄処分に10万円はかかりそうです。

処分するのに10万円使いますか?

そのため、タンク一体型を使う場合には地上設置をお薦めしているわけです。

【 特殊技術は不要】誰でもできる真空管式太陽熱温水器の設置

2 採熱器の軽い分離分割型

と言うことで、最近は採熱器と貯湯タンクが分かれている「分離分割型」が、一番優れた方式であると思うようになりました。

値段は少々高いですが、それだけのことはあります。

まず最大のメリットは、採熱器が軽くて薄いことです。

屋根への負担が軽いだけでなく、組み立てて固定するだけなので、タンク一体型のような困難な作業はありません。

従って、やろうと思えばDIYで十分に可能です。

屋根に設置された真空管採熱器

写真を見ていただければ分るように、太陽光発電のパネルとほとんど変わりません。

違いは、厚みが少しあるくらいでしょうか、バラバラに運んで、組み立てて固定するだけ。

ガラス真空管内にはヒートパイプが入っており、水はありませんからとても軽く、ピンポン玉くらいの雹(ひょう)の直撃にも耐えられる設計となっています。

万が一割れても漏水することはありません。

3 熱交換システムに優れている

その採熱の仕組みは、下図のように非常に巧妙な設計になっています。

1)熱交換は、コントローラ(循環ポンプ含む)により、熱交換系の配管で水(不凍液)を循環させタンク内で熱交換します。

水の循環と熱交換の仕組み

2)循環ポンプは、採熱器・貯湯タンクに設置した温度センサーによって、所定の温度に達するとオンオフします。

3)8℃差で起動し、4℃差になるとポンプが停止します。

コントローラ

4)水が循環し、ヘッダーを通過する際に温水になり、貯湯タンクに戻った時点で熱交換します。

5)これを繰り返すことで、徐々に貯湯タンクの水温が上昇します。

6)圧力が上がりすぎる場合には膨張タンクで受け止め、それ以上は貯湯タンクから圧力調整弁が作動します。

緑色が循環ポンプ

したがって、温度差が出ない雨の日は動きませんから、無駄な電気は使いません。

4 タンクが保温できる

貯湯タンクが地上にあることの安心感は抜群ですが、もう一つ重要なことがあります。

それは保温です。

貯湯タンクは、密度の高いウレタンフォームで保温がされていますので冷めにくい構造にはなっています。しかし、どれだけ保温しても真冬の低温下では冷めてしまうのは必然です。

タンク容量は500Lまで

分離分割型であれば、必要に応じて保温材をタンクに巻くことができますし、室内にタンクを置くこともできます。

いくら太陽で温めたとしても冷めてしまったのでは何にもなりません。

タンク一体型は、採熱だけを考えれば一番合理的ではありますが、保温のし易さでは分離分割型に軍配が上がります。

太陽熱エネルギーを最大限に利用するには集めた熱を逃がさない!

そして、冷めないうちに使い切る。

太陽熱は化石燃料など、燃やして得られる熱とここが大きく違うところなのです。

5 採熱器・タンクとも目的に応じて選べる

ところで、標準家庭(4人)でどのくらいのお湯を使うものなのでしょうか。

統計によると、水道水を1日当たり約800リットル使うとなっています。

その内、お湯としてお風呂200、洗面50、台所50と仮定すると計300リットルになります。

そうなると、200Lのタンク一体型のでは少し足りませんが、晴天なら50℃以上になりますから、使うお湯の温度を考慮すると何とか間に合うのではないでしょうか。

となれば、200Lのタンク一体型を使って満足できるのは、大人2、こども2の4人家族まででしょう。

それ以上にしたい場合には、200Lの2台連結は屋根の上では重過ぎますし、現実には地上置きしかできません。

もし、それ以上家族が多いなら分離分割型の300Lを選んでおいたほうが無難で、もし足りなければ500L分まであります。

ただ、その分採熱器の量が増えますので屋根を占領してしまいますが・・・

それから、分離分割型のタンクは内部の構造も凝っています。

熱交換のために配管をコイル状に回していますから、その加工のために価格が高くなるわけですが、それだけ製品としてもグレードが高いのです。

余談ですが、我家に設置してあるのは分離分割型のベランダ型(真空管0.85m)です。

100L用の採熱器と150Lのタンクの組み合わせで5年前から使っていますが、燃料削減率は30%くらいの感じで、これでは採熱力不足は否めません。

採熱器の設置場所がなく、このようにしたのですが、今から考えると通常のもの(真空管1.8m)に台をかませれば付けられたのに残念です。

そのため、今回真空管を8本追加しました。

これでプラス30%以上の能力が確保できましたので、標準の150Lにほぼなりました。

余り物をつかっているので、フレームは完全手づくりです。

なにごと予定通りには行きませんが、このようなことができるのも分離分割型の良い点です。

分離分割型の採熱器は、太陽光発電パネルとさほど変わらない厚みで、どんな屋根でも違和感なく設置できるのが魅力ではないでしょうか。

しかも、軽く屋根に負担をあまりかけません。

美的感覚には個人差がありますが、これが毎日毎日、太陽熱を集めお湯を提供してくれるのだとしたら、発明家の先生ではないですが、愛おしい大切なものになるわけです。

6 まとめ

私が真空管式の太陽熱温水器を使いませんか?

と聞くと、多くの人は「家は日当たりが悪いから」とやんわり断られることが多いです。

やる気が無いからそう答えられるのでしょうけれど、本当にもったいないことです。

また、太陽熱温水器は、元が取れるとか取れないとかに拘る方もおられますが、おかしな話ではないでしょうか。

石油ボイラーに30万円、燃料費が月に1万円かかるとして、これを15年間使ったとします。

必要な金額=2,250,000円

これは完全な消費ですから元は取れません。

当たり前です。

しかし、ここに太陽熱温水器を加えておけば燃料費は大幅に削減されます。

毎月1万円の半分が節約できたら、5,000円×12ヶ月×15年で900,000万円の節約になります。

太陽熱温水器を導入してもかなりお釣が来るはずですし、削減率は通常70%前後なのでさらにお得なはず。

こう考えれば、すぐに行動を起こさなければ損であだと思いませんか。

ましてや商売でお湯を沢山使っているならなおのことです。

太陽熱を積極的に利用して豊かな生活を始めてみませんか。

そして地球温暖化阻止に貢献しましょう!

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