声がかすれる。
電話で思うように話せない。
人と話すのが億劫になった。
このようなことは、誰しも歳を重ねると経験することなのかも知れません。
私も70歳に近づいたころ、ある日声がかすれてうまく話せないことに気づきました。
いわゆる「老人声」。
原因はすぐに思いつきました。
新型コロナが大流行したことから、仕事を中止し、自粛生活をして1年以上になった時期でした。
喉の病気は無いので、家族以外に人と話す機会が大幅に減ったために声が出にくくなったのは間違いありません。
であれば、声を出せばいいじゃないか。
早速YouTubeで発声練習の動画を検索してみた。
面白そうなものを選んで、しばらく訓練をやりましたが、問題は継続することが難しいこと。
少し声が出るようになったかな?と思っても、さぼったりするとすぐに戻ってしまうわけです。
そのため、以下の条件を付けて訓練方法を再考することにしました。
1 興味のあるものを読む
2 一日30分以上話す
3 大きな文字で読む
1 興味のあるものを読む
家には日中誰もいないので、室内で少しばかり大声を出しても迷惑はかかりません。
問題は、何を話すか。
興味のある本を選んで音読をすることにしました。
最初の内は、これまでに買った本(小説など)を読んでいたのですが、どうにもしっくりきません。
ならばと、古典文学なら面白いのではと以前買った「方丈記」をkindleで読んでみました。
もちろん原典です。
何度も何度も読みました。
それから、宮沢賢治の風の又三郎やセロ弾きのゴーシュなども読みましたが、最初はろれつが上手くまわらず苦戦しましたが、そのうち何とか読めるようになりました。
でも、やはり飽きます。
2 一日30分以上話す
さて、発声練習としてはどのくらいの時間を音読すればいいのか。
なにしろ声が出にくい状態で音読するので、喉がけっこうきつく感じるわけです。
ただ、それよりも読み上げるのが現代文ではないので、注意がそちらに行き、声が出ていないことなど忘れてしまいます。
それと、古典文学をこれまで読んできませんでしたのでかなり新鮮味があり、気がつけば30分以上音読しています。
方丈記を何度か読んで、次は「徒然草」を買ってみました。
まだ序の口ですが、とても面白い。
言葉の意味が分からないことも多いですが、目的は発声練習なので気にしません。
こんな感じで10日ほど音読をしていたら、いつの間にか声が普通に出るようになっていました。
声がすっと出るようになると、とても気分が良く、なぜか自信も出てきますから不思議です。
音読で注意していることは、
・発声練習をする
・喉が痛くなったら止める
・徐々に音読する時間を長くする
何ごともそうですが、いきなり始めてはいけませんし、無理に声を出そうとして声帯を痛めたら元も子もありません。
時間はたっぷりあります。
慌てずに、毎日楽しみながらが良いです。
大きな文字で読む
さて、そうは言っても高齢者は文字が小さいと読みにくいです。
私も最初はkindleで読んでいましたが、これは目に優しく読みやすいものの、どうにも画面が小さい。
しかも、新しいものを買うとなるとお値段がけっこうするわけです。
ならばと、パソコンにアプリを入れて読んでみ見たところ、これがなかなか読みやすい。
たまたま、私の使っているパソコンのモニターは27インチの大画面。
2年くらい前に買ったものですが、調べてみたらkindleペーパーホワイトよりも安いですね。
外に持ち出すことがなければ、こちらが断然いいと言うことで、これに決まりました。
パソコンは毎日使うわけだし、音読もその流れで継続してできるわけです。
お金をかけずに、楽しみながら発声練習ができ、そして「年寄り声」も解消できます。
音読はライフワークになりそうです。