太陽熱温水器が法律で禁じられているなんて、もちろん冗談ですが、そう思えるほど太陽熱温水器の普及はしていないのが現状です。

だいぶ前になりますが、発明家の藤村靖之先生にその理由を尋ねたところ、「格好悪い」からとのことでした。

大先生の言うことですから、そうかなぁと思いつつ、今でも納得はしておりません。

先日、ある方から太陽熱温水器のCMはなぜないのかと問われました。

そう言えば、確かに見たことがありません。

調べてみると、あるにはありますが従来の平板型ですし、かなりローカル感のあるものです。

いずれにせよ、上手く使えば大幅に燃料費を節約できるものなので、なぜこんなことになっているのか考えてみましょう。

燃料会社の妨害工作

一般的に言われているのは、陰謀論とも受け取れる話ですが、あるガス会社が妨害工作を行ったと言う話です。

もう30年以上になりますが、当時は太陽熱温水器の全盛期で、1995年には20万台を超えていたわけです。

ところが、2000年になると急激に落ち込んでしまっています。

この理由は何だったのか。

私の記憶では、どことは言いませんが、強引な勧誘商法が問題になってからだったと思います。

しかし、製品に嘘はないわけですからこれほど業績が落ち込むのは変です。

やはり、ネガティブなイメージを植え付けるのに成功したと言えるのではないでしょうか。

もちろん、具体的にどうやったのかは分かりませんが。

いずれにせよ、CMもしないような製品は現代では売れないと言うことです。

更に言うと、CMなんてやらせてもらえるはずがないのです。

理由?

言わなくても分かりますよね。

高度成長で豊かになったから

私の見立ては、高度成長で多くの国民が豊かになった(気分になった)からと思っています。

国の政策、工業化によって農業からサラリーマンになって収入が増えたのがきっかけでしょう。

我が家にも太陽熱温水器があったのですが、冬には水を抜いておかないといけないなど、かなり面倒なものでした。

もちろん、夏には暑くてお風呂に入れないほどですから、効果は皆さん良く分かっていたのだろうと思います。

でも、使いにくかった。

そんな中、高度成長で収入が多くなると、もっと便利なものに関心が向かうことになります。

それが、現在の石油ボイラーになっていくわけです。

スイッチ一つで簡単にお風呂が沸くだけでなく、台所とか洗面台の給湯も蛇口をひねればお湯が出てきます。

こうなると、もはや面倒な太陽熱温水器は使いたくなくなるわけです。

電気でお湯を沸かすの安い

次にエコキュートに代表される、電気でお湯を沸かすことが流行ります。

2013年、東日本大震災があって少し下火にはなりましたが、今では新築住宅のかなりの割合はオール電化ではないでしょうか。

ご承知のように、オール電化ではかなり料金が低く抑えられています。

一般的な家庭なら、これまでなら月に1万円くらいしか電気料金がかからないとも聞きます。

ガスや灯油を使っている家庭では、その倍にはなっていたはずです。

そもそもオール電化は、原発の深夜電力を活用してのプランです。

原発の稼働していない東電が、未だにオール電化をやっているのは理解しがたいと思うのは私だけではないはずです。

そこにはもっと深い理由がありそうです。

大体は分かっていますが、ここでは言及しません。

でも、このところの電気料金の大幅値上げで、もはや安売りはできなくなったとみて良いと思います。

問題はオール電化にしてしまった人がどうするのか、です。

洗脳され、貧乏になった日本

さて、日本は衰退国家になってしまっています。

以下の表で見るように、30年前から急激に所得が減ってきているのです。

そう、太陽熱温水器が減ってきている時期と全く重なるのです。

何が言いたいか。

太陽でお湯を沸かすことはダメですよ。

石油とガス、電気で沸かしてください。

そして税金をしっかり払ってくださいね。

そんな構図なわけです。

理解できたなら、自分の頭で考えて方向転換してください。