イチゴは年末から出回っていますが、一番味が良いのは3月から4月下旬ごろまでです。
2月ごろまでは甘みはあるものの、酸味が少ないので味に深みが足りません。
また、5月以降は気温の上昇もあり、樹勢も衰えて食味は落ちてきます。
なので、ジャムにするには4月が一番良い時期となります。
イチゴは生で食べることが多いので、ジャムにするのはクズのようなものを使うものと思っていませんか。
間違いではありませんが、やはり生で食べても美味しいものを使いましょう。
今回も、ジャムに適した良いイチゴが手に入ったので、早速作ってみたいと思います。
美味しいイチゴジャムの作り方
私はイチゴ農家に生まれ、小学生のころからジャムを作っていました。
なので、どのようなイチゴが美味しいのかは一目でわかりますし、色良く作る方法も知っています。
簡単に短時間でできますので、ぜひトライしてみてはいかがでしょう。
<手順>
1.新鮮で見た目に美味しそうなものを選ぶ
市内の農産物直売所で買ったものですが、1kgで500円と格安でした。
普通に生で食べてもそれなりに美味しそうで、ジャム用としては申し分ありません。
うどん粉病も無いようです。
ジャム用は過熟果はNGです。
これは生で食べても美味しくないし、煮詰めると黒っぽくなりますから避けてください。
すこし青い玉を混ぜると色よく仕上がります。
この農家さんはご自分でも作られるのでしょうか、バランスよく混ぜています。
もちろん過熟果は入っていませんでした。
2.酸味料は必ず加える
いくら酸味の強いイチゴとは言え、砂糖で煮詰めるのですから当然甘くなります。
好みもありますが、やはり酸味料を入れないとバランスが悪くボケた味になりがちです。
私は柚子汁を使っていますが、レモンのしぼり汁が一般的に使われます。
私は粗精糖が好きなので使っていますが、グラニュー糖の方が色が鮮やかに仕上がります。
また、ペクチンを入れるととろみが増しますが、私は柚子の種を乾燥させたものを使っています。
家に柚子の木が1本あると便利です。
3.ホタテパウダーで洗う
出荷前には農薬は使っていないと思いますので、水洗いで十分かと思いますが、念のためホタテパウダーで洗います。
2グラム(小さじ1杯)程度を水に溶かしイチゴを浸します。
色が落ちたのか、農薬が落ちたのかは分かりませんが、黄色くなりました。
イチゴ栽培は農薬をかける回数が多いので、とりあえず洗浄しておいた方が無難かと思います。
4.適度な大きさにカットする
イチゴジャムは、できるだけ潰さないで作る方が美味しいと思っています。
ですが、あまり大きいのは困りますので適度な大きさにカットします。
小さいものはそのままで問題ありません。
5.砂糖は重量の1/2が基本
1kgだったものが、ヘタを取って951gとなりました。
奇形果や悪くなった部分が無かったのも良かったです。
それにしても歩留まり95%はかなり良いですね。
砂糖の量は好みですが、あまり少なくすると長持ちしません。
一般的には重量の1/2が無難なところです。
6.砂糖をかけて2~3時間おく
すぐに煮詰めると焦げる恐れがあるので、2~3時間おきます。
そうすると、浸出液が出てきますので、煮詰めるのが楽になります。
7.保存瓶を用意しておく
一般的に保存瓶は煮沸消毒しますが、私はADウォーターを吹きかけてしばらくおきます。
これは殺菌力が強いので、きちんとやればカビは生えません。
8.煮詰めるのは手早く
ジャムはコトコト煮詰めると思われるかもしれませんが、そうではありません。
できるだけ早く仕上げるのがコツで、色よく仕上がります。
タイマーを用意しておきましょう。
煮詰め方は、イチゴを軽く潰しながらかき回します。
泡が吹き上がったり、焦げるのに注意します。
9.仕上げ
煮詰める時間は、今回は1kg近くありますが18分で終了しました。
最初の内は強火で良いですが、吹きあがるようになったら中火にします。
なお、私はアクは取りません。
色よく仕上がるような気がしますが、味が良くなるようには思えないので。
火を止めるタイミングは、かき回していてトロっとしてきたら止めるようにします。
そして、熱いうちに瓶詰します。
逆さまにしておけば、冷めると瓶内の圧力が下がり(キャップが凹む)密封状態となります。
味見をしたところ、今回も上出来でした。
イチゴは、5月の上旬まで出回るので、今年はあと1回くらいできるかと思います。
その後は、梅とかソルダムなどのジャムを作ります。
そういえば、今年は梅もソルダムも花がたくさん咲きました。
果たして、ジャムを作るほどに生るでしょうか。
楽しみです。