食用菊は好みが分かれるようで、食べない人も多いようです。

私の育った家は農家なので菊は作っていましたが、一般的な黄色いものでした。

でも、あの臭いが嫌で大人になるまでずっと食べたことはなく、どちらかと言えば嫌いな食べ物の一つだったように思います。

しかし、就職して数年後に山形県に研修旅行に行った時のことです。

夜になり、仲間と共に居酒屋に入り、お通しで出た菊のお浸しの味に驚きました。

旨い!

これは何ですか?と聞いたら

店の主が、「もってのほか」という菊で、山形県の特産とのことでした。

名前が面白いので、さらに由来を聞いてみると

あまりにも旨いので、庶民が食べるのは「もってのほかである」と昔の殿様が言ったことかららしい。

確かに旨いが、そこまで言うか・・・

ただ、名前の由来は諸説あり、現在では「菊の御紋を食べるのはもってのほか」の方が有力のようです。

私は地元の人から聞いたことが頭から離れないし、そっちの方が面白いので、殿様説を信じています。

さて、そんな「もってのほか」ですが、一昨年に知人から株を分けてもらい育てています。

菊は多年草なので、放っておいても何年かは続けて出るのですが、今年は春先に別な場所に移動しました。

理由は、その場所が日当たりがあまり良くないのと、昨年の成績がパッとせず、菊の垂直仕立て栽培もやってみたかった。

菊も垂直仕立て栽培

今年は、色々な野菜を垂直仕立て栽培に挑戦しています。

垂直仕立て栽培でキュウリが大豊作

そんなわけで、菊も垂直に仕立てれば好結果が出ると思いやってみました。

結果はずっと前から分かっていましたが、もう素晴らしいの一言ですね。

法面の草を取り除いて苗を植えただけなのに、どうですかこの育ち方は。

完全な無施肥です。

下の方は、束ねきれずに放置していますが、非常に元気です。

ちなみに昨年はこの半分以下、今年はこれだけ咲けばかなり食べられそうです。

しかも、菊にはアブラムシがつきものですが、全く見られません。

最初のうちは少しいたので、刷毛で落としていましたがいつの間にかいなくなりました。

特徴的なのは、花がしっかりしているだけでなく、色も鮮やか。

花の大きさは、昨年よりも1.5倍くらいあります。(昨年が小さ過ぎた)

垂直仕立て栽培は、紐とか棒とかを使ってただ垂直に仕立てるだけ。

なのに、しっかりと成果が出るから面白くてやめられません。

残念なのは私以外は家族の誰も食べないこと。

こんなに美味しいのにね。

食わず嫌いとはこのことでしょう。

もってのほかは癖が全くありません。

甘みもあって、歯ざわりも素晴らしい。

それでは、今夜も酒の肴に酢醤油でいただきましょうか。