太陽熱で暖房も給湯もしたい。
そんな希望を持たれている方は大勢おられていると思います。
実は少し前までは、ソーラーエアーヒーターに専用の温水タンクを加えれば簡単にできました。
図では温水がシャワーになっていますが、お風呂としても当然使えます。
※補助熱源が表示されていませんので、これは石油かガスボイラーを追加する必要があります。
※暖房の補助熱源が電気ヒーターになっていますが、日本では電気代が高いため、別の暖房機器を使った方が安上がりです。
しかし、残念なことに昨年からタンクが製造中止になってしまいました。
そこで別な方法がないかと色々と考えては見たのですが、なかなか現実的な良いアイディアが出てきません。
筑能科技社でやっているようにヒートポンプを使えばできるのでしょうが、国産ではないのでメンテナンスができません。
ところが、ある方との話をきっかけに突然閃きました。
閃いたと言っても何のことはありません。
これまで自分がやってきたことを応用するだけです。
ソーラーエアーヒーターと分離分割型の太陽熱温水器の組み合わせ
私は太陽熱暖房をやっていますが、一番の悩みは冬以外の暖房を使わない季節の利用をどうするかでした。
長い間考えた末に出した結論が、分離分割型の太陽熱温水器の採熱系配管に熱を送ることでした。
暖房用の太陽熱採熱器からの熱を、分離分割型太陽熱温水器の循環系に送り熱交換する方式です。
【灯油いらず】暖かくなったので、太陽熱暖房の熱を太陽熱温水器に使います
実際うまく行っていますが、採熱器のタンクに水が無くなる(蒸気が発生しなくなる)と熱の移動が無いため水を補給しなければならないのがちょっと面倒にはなります。
しかし、ソーラーエアーヒーターからの温風なら単に切り替えるだけなので格段にやり易いはずです。
ソーラーエアーヒーターと分離分割型の太陽熱温水器で暖房と給湯を両立させる
ではもう少し具体的に考えていきましょう。
現在私がやっている太陽熱温水器暖房では、前述のように水が無いと熱の伝導が行えません。
ソーラーエアーヒーターの場合は空気なので、ファンを回して温風をブースターに流し込むだけです。
切り替えの操作は風管にバルブを設置して、春と晩秋の年2回行います。
ブースターは、少し器用な人なら自作は簡単でしょう。
費用はいくらも掛かりませんし、廃材などを見つけてくるのも良いかと思います。
燃料費を大幅に節減
さて、こんな面倒なことをやってどのくらいの燃料節約ができるのでしょうか。
状況によって様々なので正確なことは出ませんが、経験上からは概ね分かります。
暖房に関しては、やりようですが5~6割以上の削減が可能と思います。
給湯に関しては、春から秋までは暖房用の熱が追加されるので、8~9割の削減が可能ではないでしょうか。
たぶん、春から秋までは多分燃料はほとんど使わなくて生活できるはずです。
もちろん採熱器の規模(真空管の数)や貯湯タンクの容量にもよりますが、いずれにしても大幅な燃料費節約になることには間違いありません。
最大のネックは、ソーラーエアーヒーター(標準型)と分離分割型の太陽熱温水器を揃えるには120万円くらいはかかります。(設置費は別途)
安くはないですが、長い目で見たら損はないと思います。
試してみてはいかがででしょうか。