一般的には野菜などの農作物は肥料を使って栽培されます。
これが常識です。
しかし世の中には肥料も農薬も使わずに野菜や果物、そして稲なども作ってしまう人がいます。
誠に非常識な方々ですが、見方を変えれば自然の摂理を理解しているからできることなわけです。
そして、その技術公開をしています。
その技術を使って私も実際に野菜を作っていますが、事実として肥料なしでもできてしまうわけです。
ですが、日本だけでなく世界の多くの農家がそれを実行しないし、作物は肥料が無くては育たないと思っているようです。
これは実に不思議なことだと思います。
私は昭和27年、農家の長男に生まれましたが跡を継ぎませんでした。
なぜ継がなかったのか?
それは苦労の割には儲からない職業であったことや、当時の我が家は非常に貧乏で、親が子供に継がせたくなかったのです。
しかし私は、農業をやりたかったと言うよりもやるつもりでいたのですが・・・
当時も今も農家には、嫁は来ない、夢も希望もない、それが農業。
これから農業をやっていきたいなら、もっと楽で儲かる農業を考えないといけないはずです。
儲かる農業
そのヒントが、自然農法にあります。
肥料も農薬も使わない、耕起もしなければ大型農機は必要なく、資材なども必要最小限でいい。
となれば必要経費は大幅に下がり、黙っていても利益が増えてくるのは間違いありません。
でも、慣行農法に慣れた農家には難しいのですね。
私の父も、いくら言ってもダメでしたから。
なので、今は家庭菜園で自然農法(垂直仕立て栽培)をやっているのです。
排水対策が極めて重要
今年は垂直仕立て栽培を始めてから4シーズン目。
かなりコツが分かり始めてきたので、排水対策について書いておきたいと思っています。
結論から言うと、排水対策が十分でないと作物はうまく育ちませんから、まず最初にきちんとしておくべきでした。
そうすれば失敗も少なかったはずです。
写真は、我が家のものではなく矢板の畑です。(娘夫婦の家の庭)
これまでに良くできたのは、サヤエンドウ・スイカ・ネギ・サツマイモなどですが、一方で期待していたジャガイモの出来が非常に悪かったのです。
排水が悪いことは分かっていたので、溝を掘っておきましたが、実態として十分ではなかったようです。
写真で見ると分かりますが、奥の方の土がかなり黒く写っています。
つまり、湿っていることが分かります。
これは排水が効いていない証拠なので、今回は幅と深さを大きくしました。
当然ですが、作物が成長するには根をしっかり張れる条件を整えてやる必要があります。
この場所の排水が悪いのは、もともとは分譲地であり、盛り土するときにしっかり固められているせいです。
3年耕作していますが、支柱を突き刺してもせいぜい50cmmくらいしか入りません。
そのため、深耕するのは物理的に無理なのでライムギを植えてみました。
ライムギは根が深く張るので、排水を良くするには都合が良いと知ったからです。
大きく育ったら草マルチに利用できるし、実ったら食べることもできますが、量が少ないので鳥さんの餌かな?
今年は豊作の予感
さて、昨秋から準備してきた野菜の現状です。
玉ねぎは、これまで2作失敗しましたが今回はかなり順調です。
勢いが増して来たら垂直仕立て栽培を開始します。
これは「ゆうさや(さやえんどう)」です。
マルチをして、両脇の排水を良くしました。
次に例年サツマイモを作っている畝です。
今回は、日当たりの良い北側ブブにスナックエンドウを蒔きましたがこちらも順調のようです。
なお、ゆうさや・スナックエンドウのいずれも自家採種の種を使っています。
昨年は信じられないくらいに出来が良く、食べきらないほどたくさんなっただけでなく、長期間収穫できました。
農産物直売所に出そうかと思ったくらいです。
ジャガイモを植える予定の畝。
これが最大の難関で、昨年もテントウムシダマシにやられましたが、今年は何としても成功させなければなりません。
失敗の原因は、昨年まで種芋を植えるのが3月中旬でしたので、芽が出た後に霜にやられたのも響きました。
今年は3月の終わりか4月の第1週にする予定です。
いろいろ調べると、桜(ソメイヨシノ)が散るころに植えるのが良いようですね。
最後にソラマメ。
こえれも自家採取の種ですが、昨年は種を残し過ぎてしまいました。
我が家の場合はそれほど作ることはないので、優良な株からの種が20粒ほどあれば十分なようです。
いずれにしても、今年は垂直仕立て栽培の要領を覚えたので非常に楽に仕事ができています。
やってみれば分かりますが、肥料を使わない野菜作りは本当に楽しいです。
これからの目標は、できるだけ苗を買わず、年間を通してあまり野菜を買わないようにすることです。
今のところまだ半分くらいかも知れませんが、これを8割くらいになればいいですね。