今年ももうすぐ終わりになりますが、期待していた白菜がいま一つな状況です。

かなり遅れて植えたので止むを得ないのですが、垂直仕立て栽培なので遅れを取り戻せるかと期待していたわけです。

現状は不織布を掛けているので霜にはまだやられていませんから、仮に結球しなくても春先に菜の花をたくさん食べられます。

むしろ、そちらが美味しいので悲観することはありませんが、今回うまく行かなかった原因をしっかり検証しておきたいと思います。

白菜の積算温度

白菜は栽培が簡単そうな野菜ですが、きちんと結球するまでには虫にもやられるし、場合によっては結球しないこともあります。

しかも肥料がたくさんいるとされ、病気になりやすく、連作障害も心配しなければならない厄介な野菜でもあります。

なので、以前はもっと簡単な葉物野菜を作っていましたが、垂直仕立て栽培を知ってからは積極的に作るようになりました。

この栽培法は、葉を垂直に仕立てるだけで肥料を使わないので病気になりにくく、虫もあまり寄ってきません。

昨年は場所が良かったのかうまく行きましたが、今年は今一つ。

その原因は日照時間が足りなかった可能性が高いです。

ちなみに我が家の場合、庭が狭く、前の家の2階部分が冬至に向かって日陰が多くなっていきます。

稲などでよく言われることですが、植物(野菜)は栽培期間の積算温度が足りないとうまく実らないことが知られています。

稲作 積算温度

積算温度とは、平均気温を加算した値のことです。 出穂とは穂から1粒以上の籾が確認できる状態のことで、40~50%の水稲で出穂が見られたら出穂期と見なします。 一般的に、水稲は出穂から45日程度経過し、積算温度が1,000℃に到達したタイミングが刈り取り時期とされます。

他の野菜ではどうでしょうか。

設定する積算温度の目安

これによると、白菜の積算温度は900〜1,000℃となっていますから、水稲と同じと考えれば良いわけです。

となると、正確に把握できませんが、我が家で白菜を作るとなると9月に入ってすぐに種まき、中旬には定植を終えていないとならないように感じました。

以下、課題を整理して来年に繋げたいと思います。

東側

こちらは東側の白菜ですが、まだ葉が巻き始めたところです。

定植したのが10月25日、通常から言えば1か月以上遅いのでこれも仕方がありません。

写真:2023.12.28撮影

ここに植えた理由は、単純に白菜の苗が余っていたためです。

そのためダメ元で作っているわけですが、特徴はビニール袋(再利用)を使っていること。

こうすると、成長に伴って自然と葉が立ってくるので、いちいち縛ったりする必要がありません。

なお、ビニール袋の効果は、風の影響を受けにくいだけでなく、虫の害からも防げることが分かりました。

写真は10月30日に撮影したものです。

こうして比較すると、垂直仕立ての効果がかなりのものだと言うことが分かります。

肥料を一切使っていませんし、前作はカボチャで、これにも肥料は使っていません。

つまり、無肥料でここまで大きくなっていることの方が驚きではないでしょうか。

途中までは予想通りの成長でしたが、11月中旬以降は不織布を掛けて寒さから守るようにしてきました。

現在の状況は、葉が巻き始めの段階で収穫はできませんが状態としては非常に良いと思います。

正直、垂直仕立て栽培なら何とか年内に収穫できるだろうと思っていましたが、結果はそこまでは行きませんでした。

残念!

不織布を掛けているので、今後も寒さに負けず少しは成長するとは思いますが、2月に入ると塔立ちして花芽が着いてしまうと思われます。

この場所は、11月までは午後2時くらいまでありますが、12月に入ると午前中で陰になってしまいます。

ならば、来年白菜を作るなら12月上旬までに収穫できるよう、逆算して種を蒔けば大丈夫ではないかと思います。

西側

次に西側ですが、こちらは11月以降は午後1時近くならないと日が当たりません。

ここに種を蒔いたのは9月2日ですが、途中で根切り虫にやられ9月17日に蒔きなおしています。

虫にやられなければ収穫できているはずなのですが、なかなか上手くいかないですね。

そうは言っても、ここまでくれば何とか収穫までは行きそうな気がします。

それほど立派なものはできないとは思いますが・・・

この場所も、収穫の時期を11月下旬から12月の上旬に設定しないとダメなことが分かりました。

遅れてしまった場合には、諦めてさやいんげんなどを蒔くようにした方が無難と思いました。

まとめ

これまで3シーズン、垂直仕立て栽培の基本をマスターするために様々な野菜を作ってきました。

全て上手くは行きませんが、とてもうまくできた野菜がある反面、どうしてもできないものがあります。

1年目はビギナーズラックもあり、思った以上にうまく行きましたが、2年目は力が入りすぎたのか予想よりもイマイチでした。

少し意気込み過ぎたのかも知れないと思い、3年目は少しクールに観察しながら栽培しました。

そのため、垂直仕立ての技術は大きく向上したと思います。

しかし、日照時間との関係はこれからの課題となりました。

春から秋までは日差しが高く、それなりに気温も高いですが、秋から冬にかけては太陽の位置が冬至に向かってどんどん下がっていきます。

障害物のない畑とは違って、庭先で栽培する場合には、種を蒔いたり定植した時点で日照が十分でもやがて不足するようになります。

特に、我が家では南側に隣接家屋の2階があるので、日陰になって上手く育たなくなることがハッキリしました。

なので、今後は野菜の選定をもっと慎重にする必要があります。

そんな場所に拘っていないで、日当たりの良い畑で作った方が良いと思われるかも知れませんが、野菜を作る楽しみは庭先だからこそ面白いのです。

畑を借りて作ったこともありますが、たかだか家庭菜園です。

冷静に考えれば、白菜なんて大きな株でも200円程度で買えるわけで非常に安いものです。

他所に畑を借りてまで作る意味はありません。

いずれ垂直仕立ての技術が高まれば、少しばかり条件が悪くても上手くできる時が来ると確信しています。

来年も頑張ります。