最近気になっていることがあります。

先の東京オリンピックでも話題になりましたが、大規模イベントのボランティアのことです。

東京オリンピックでは、確か大学生に単位を与えて駆り出すというとんでもない話でした。

今回は更にバージョンアップして、阪神とオリックスの優勝記念パレードに大阪市職員のボランティア参加させるようです。

ボランティアですから、休日出勤でも手当は出ません。

なぜこんな理不尽なことが軽々に考えられ、そして政治家の一存で実行されるのか分かりません。

政治家はボランティアの意味をはき違えているのではないでしょうか。

ウキペディアによれば

ボランティア: volunteer)は、自らの意志により志願すること。特に日本語としてのボランティアは一般的に、公共性の高い社会への奉仕チャリティー)に際して用いられることが多い。ただし「仕へ奉る」活動という字義や、また戦前の「勤労奉仕」のように過去には強制性を伴う活動で用いられた名称である歴史的背景があることから、自発性のみを意味するボランティアとは似ていても異なる点は注意を要する[1]。従って、学校や企業が生徒や社員を動員して行う「ボランティア」は正確に言えば「社会奉仕活動」である。なお文部省の定めるボランティア活動の基本理念は、公共性、自発性、先駆性である[2]

当たり前の話ですが、自らの意思により志願することとなっています。

ところが大阪市は、「熱い思いで」とか「それぞれの想いで参加いただく」と言っています。

では参加しなかったどうなるのでしょう。

想像ですが、勤務評定に影響するようなことをやるのではないでしょうか。

府や県などと違い、市町村レベルでは長の権限が強く、目を付けられたら昇任昇格にも影響が出てきます

そうなれば、しぶしぶ従ってしまう職員が大半です。

しかし、これは労働基準法を持ち出すまでもなく違法ですから争議に発展する可能性も出てきます。

大阪万博に利用

なぜボランティアなのかが不明なだけでなく、不届きなのは阪神・オリックス優勝パレードを大阪万博に利用しようとしていること。

関係ないとまでは言いませんが、少し露骨すぎるのではないでしょうか。

吉村知事が阪神・オリ優勝パレードに職員のボランティア利用 万博の“宣伝目的”に根強い批判

阪神VSオリックスの日本シリーズは、阪神の38年ぶりの日本一で幕を閉じた。これにもうひと盛り上がりを期待しているのが、大阪府と兵庫県、関西経済連合会だ。3者と万博協会でつくる実行委員会が、11月23日の祝日に両チームの「優勝パレード」を両府県で開くことを決めた。ただ、いろいろと“問題”が浮かび上がっている。大阪府の吉村洋文知事は、職員をボランティアに駆り出すことを決め、実行委は経費としてかかる5億円をクラウドファンディングで集める予定だが、まだ遠く及ばない。そして何より、大阪・関西万博の「宣伝利用」に嫌気をさす人からの批判の声がいまだに多い。

【写真】2003年の阪神、昨年のオリックスの優勝パレードの様子はこちら

「いくらなんでも休みの日に呼び出されるなんてね」

 と渋い表情で話すのは、大阪府の現役職員のAさん。

 所属する部署の管理職から、

<ボランティア募集>

 というメールが届いていたのを見せてくれた。

■大阪府、市で1500人

 ボランティアの内容は、11月23日の優勝パレードでの誘導や案内役など。従事する時間は、午前9時ごろから午後4時ごろまで。交通費、食事などの支給もないまったくの「手弁当」だという。

 大阪府によれば、ボランティアの募集人数は、大阪市と合わせて1500人程度を見込んでいる。府では、職員専用サイトのほか、部署によっては管理職がメールをしたり、職場で声をかけたりして募っているという。

「うちの管理職は『集まるかなあ、誰も応じなかったら嫌だなあ』『上から怒られないだろうか』などと心配そうにしていました。うちの職場からの応募者は、現在のところ阪神ファンの一人だけです。全体でも1500人には達していないと聞いています」(Aさん)

 Aさんは、集まらない理由として、

「吉村知事は、やっている感を出したい、目立ちたいという思いがあるんでしょう。パフォーマンスで発案したといった話が府庁では出ていますからね。吉村知事の人気取りに職員が協力というのも、なんだかね」

 と付け加えた。

 一方、喜んで応募したという職員もいる。

 Bさんは、

「私は阪神もオリックスも好きで、シーズン中は試合観戦にも行きます。当日、ボランティアに行けばオリジナルのスタッフジャンパーがもらえるのです。それがほしいから応募しました。2003年に阪神が優勝したときの『御堂筋パレード』もボランティアを募ったそうで、参加した阪神ファンの職員から『すごい熱気でよかった』と聞いたこともありました」

 とうれしそうに話すのだ。

 しかし、問題はある。

■労組が府に申し入れ

 大阪府関係職員労働組合は、優勝パレードでのボランティア職員の募集に対する申し入れを10月24日付で府に送った。
 
<警察等の関係機関とも十分に連携し、参観者の安全・安心を最優先に考え対応すべきです。どうしても府職員を配置する必要があるのであれば、ボランティアではなく業務として指示すべきです>

 などと指摘している。

 小松康則執行委員長は取材に対して、

「職員は警備の専門ではなく、日常業務とは違ったものになります。それに、ボランティアを集めたいばかりに、管理職が職員に半ば強制的に呼びかけるのは、パワハラの可能性もあります。ボランティアの最中にケガをした時などの対応も定かではない。それに交通費も食事も出ませんからね。これで来場者、府民の安全をきちんとケアできるのでしょうか」

 と府への疑問を呈した。

以下略

労働とボランティアを区別しなければならない

当たり前の話ですが、労働には対価が伴います。

しかし、昨今の政治家は何を考えているのか、予算がないからなどと言って職員にタダ働きをさせるケースがあります。

でも、労働者はこれに絶対従ってはいけません。

一度受け入れてしまうとそれが前例となり、悲惨な未来となってしまうことは容易に想像できます。

大阪市の場合、公務員ですからボランティアを拒否したくらいでクビにはなりません。

市民に奉仕するのが仕事だと悟れば、トップが何を言っても動じることはありません。

大阪市市職労には頑張ってほしいですね。