何年か前ですが、老後2000万円足りないと話題になりました。

その良し悪しは別として、”自分にはそんな大金は無理!”と思われた方も多いと思います。

私もその一人ですが、ならばどう生きるかを考えさせられました。

なお、老後2000万円の中身は以下のようなものです。

簡単に言うと、夫婦ともに無職で健康で長生きしたら年金だけでは2000万円足りないので、定年までにその分を用意しろと当時の財務大臣が言ったわけです。

まぁ、一般庶民にそんな大金があるはずもなく、多くの国民から顰蹙を買いました。

でも、よくよく考えてみれば結構切実な話でもあるわけです。

高度成長期に働いていた人の多くは、土地を買って家を建てていますから、よほど収入が多い人でない限り預金なんてさほどないのではと思います。

私の場合は、定年(60歳)時に住宅ローンが数百万円残っていたので退職金から清算しました。

また、築後30年を過ぎているだけでなく、東日本大震災で被害を受けていたこともあり退職金でリフォームもしたため預金がかなり少なくなってしまいました。

そんなわけで、もう少しお金が欲しかったので元気なうちは働こうと起業したわけです。

ところが、仕事を始めてすぐに消費税が5%から8%、さらに10%へと増税されるたびに売り上げが激減、加えてコロナ騒動で完全に行き詰ってしまいました。

苦節10年を過ぎ、どうやったらこの難局を乗り越えていくことができるか考えたところ、ある結論に達しました。

(目次)

1 定年後に個人事業主をやるべき理由

2 より健康になる

3 家計簿をつける

4 DIYは楽しくて有益

5 価値のあるものは早めに処分

6 リユース&リサイクル

7 まとめ

1 定年後に個人事業主をやるべき理由

まず、私の場合は定年後すぐに起業して個人事業主となりました。

理由は、再雇用が嫌だったからです。

職場からは何度もお願いされましたが、若い時から先輩方の動向を見てきて、あんな嫌な思いをするなら絶対に再雇用はしないと決めていたのです。

もちろん、その方が楽にお金は稼げるわけですが、ストレスで病気にでもなったら元も子もありません。

そんなこんなで始めた太陽熱温水器の販売では、もちろん設置の技術なんてありませんから専門家に頼むことになります。

なので、赤字にはならないものの厳しい時期が続きました。

初期のころはそれなりに売り上げもあり、何とかやっていけると思いましたが、ここ数年は新型コロナ騒動やウクライナ戦争など社会情勢の変化(円安など)で完全に行き詰ってしまいました。

他にもネットショップなどもやってみましたが、仕入れ先の倒産や広告宣伝費が嵩みこれも撤退しました。

私がもしも50歳代なら別な事業も考えなければなりませんが、気が付けば定年から10年が経ち、もう70歳を超えています。

そこで、新たな投資をしないようにして、小さな商売を更に小さくすることにしました。

すると、それまで一向に増えなかった預金残高が徐々に増えてくるようになったのです。

理由は簡単、収入よりも支出が大幅に減ったから。

つまりは、売り上げを上げようとして無駄な努力をしていたわけです。

客観的に見れば私の定年起業は失敗ですが、10年間の努力は決して無駄ではありません。

倒産もしないで頑張れたし、70歳以降はあまりお金がいらないのですから、そんなに稼がなくても大丈夫だと確信を持ちました。

以下、個人事業主になるメリットを説明します。

1)個人事業主は、必要経費を認めてもらえる

個人事業主としてやっていくには税務署に登録しなければなりませんが、これは非常に簡単です。

一番のメリットは、自宅で営業活動する場合でも、一部を事務所とするとリフォーム費用や光熱費の何割かは必要経費に計上できることです。

さらに、車(営業車)やパソコン・エアコンなどの設備も原価償却の対象となります。

このように、のほほんと再雇用などで生きているよりも、起業して努力する人を国は応援してくれるのです。

それから、業種によっては申請が大変ですが補助金もあります。

なお、やってはいけないことは借金です。

銀行がいくら勧めても借金は絶対にしないこと。

定年起業はトントンくらいでちょうどいいのです。

ちょっと躓いたら返せませんよ。

2)技術と知識はタダではない

コロナ騒動の時は、たまたまホタテ貝の抗菌剤を扱っていたので一時かなり売れました。

他の製品が全く売れなかった時期だったので、少し救われたわけですが、世の中何が幸いするか分かりません。

ホタテ貝の抗菌剤は、製造元が突然倒産し、在庫を抱えて困っていたところにコロナでした。

現在もまだ在庫をかなり抱えていますが、Amazonなどで安物が横行しているので販売はしていません。

製造工程からすれば、100gで1000円くらいでないと採算が取れませんので、1kgで千円なんて安物は何か混じっているとしか思えません。

この商品は野菜洗いとなっていますが、100%ホタテ貝ですから抗菌剤としても使えるはずです。

この商品は、「100%ホタテ貝」と表示しているのがミソですね。

それと、本業の太陽熱利用機器も現在販売を中止しています。

状況が改善したら再開も考えていますが、仮にこのまま廃業したとしても、関連する知識や技術は普段の生活にも大いに役立っていますから無駄にはなりません。

例えば、配管などはプロに頼まなくてもたいていのことはできます。

雇われて、言われた通りに仕事をするのとは見える世界が違いますし、それなりに充実感はあります。

3)売り上げがゼロでも気にしない

事業をしている以上、ある程度の実績を上げたいと思うのは当然です。

でも、全く売れないと言う現実もあるわけです。

昨年の確定申告でも情けないような状況で、何とかもっと売り上げを伸ばしたいとこれまで思ってきました。でも、このような不景気ではかなり難しいわけです。

客観的に見れば、10年かけてできなかったことがこれからうまく行くとは到底思えません。

そこで大切なことは無理をしないこと。

定年後の起業では、年金があれば暮らせることを念頭に、無理なことをしないことが肝心です。

儲からなくても、赤字にならなければいいんです。

こんな格言があります。

意味は、「収入の額を計算し、それに応じて支出の計画をたてる」こと。

頭では分かっていても、実際にはかなり難しいですが・・・

2 より健康になる

さて、個人事業主といえども社長ですから、健康でなければ務まりません。

私は健康オタクなので、これまで様々な健康法をやってきましたが、食事以外で一番簡単で確実なのは歩くことです。

歩き方については、様々な本や動画サイトがありますが、この「丹田歩法」は秀逸ではないでしょうか。

私は、まだ始めてから1カ月も経っていないのに長年悩んできた脱肛が治りました。

詳しくは動画を見てください。

健康であれば医療費はかかりませんし、収入が少ないなかで無駄な出費を防げます。

また、予防のためと称してワクチンなどを打たないこと。

今回のコロナワクチンは、かなりの数の人が死んだり重い副作用で苦しまれています。

日ごろから免疫力を高くしておけば、たとえコロナに罹っても重症化することなどあり得ません。

普通の風邪薬で治ります。

免疫力を高めたいなら豆乳ヨーグルトを作って食べてください。

3 家計簿をつける

次はお金の管理です。

もちろん、個人事業主なので事業に関する収支は記録しておかなければなりませんが、家計についてもきちんとすべきです。

パソコンでやればいちいち計算する必要がないので、長続きするはずです。

やってみると分かりますが、同じような生活をしているのにかなり出費は減ります。

いまさら遅いですが、若い時からやっていれば全く別な生活ができていた可能性がありますね。

なお、家計簿をつけて節約生活をしろと言っているわけではありませんので誤解のなきようにお願いします。

必要なものは買う、それ以外は買わない。

その仕訳をやるだけでお金が残ります。

4 DIYは楽しくて有益

それから、定年後にDIYの技術は必須と言ってもいいくらいです。

実は、定年前に木工の技術学校に通いたいと思っていたこともありました。

しかし、東日本大震災でそれどころではなくなりましたが、もしも木工を学んでいたら今とは全く違ったことをやっていた可能性があります。

災害は人生を大きく狂わせるものですね。

個人事業主を始めてすぐに感じたことは、電動工具くらいは使えないと話にならないことでした。

つまり、なんでもできないとダメなので、インパクトドライバーと丸鋸はすぐに買いました。

最初は上手く使えなくても、仕事ですからやっているうちに何とかなるものですし、これが使えると家の修理とかプロに頼まなくても自分でできるようになります。

自分でなんでもできてしまうとお金はかかりませんが、プロである以上、技術と知識はタダではないことをきちんと認識しておかなければなりません。

なお、電動工具は長く使うものなので安物は買わないこと。

私も最初安物を買って失敗していますが、1万円程度のものは力もないし長持ちしません。

使ってみれば分かりますが、全然違います。

それから、ディスクグラインダーがあれば何かと便利です。

金属の加工は簡単だし、大きな不燃ごみなどをカットするのにも役立ちます。

これは本職でもない限り高いものはいりません、この程度で十分です。

道具は少しづつ揃えるのがコツです。

5 価値のあるものは早めに処分

ところで、あなたは価値のあるものを持っていますか。

普通に70年も生きていれば何かあると思いますが、いつまでも大切に残しておくと死んだ後にゴミになる可能性があります。

誰かが使ってくれるなら差し上げてもいいでしょうが、できればお金にしましょう。

私は長年使っていたカメラを処分しました。

もはや山にも登れないし、早朝から撮影に出かける気力もないので、大半を5年ほど前にオークションで売りました。

オークションなんて無理、と思われるかも知れませんが、世の中にはそんな古いものでも欲しがる方が多いのです。

信じられないかも知れませんが、私が捨てようと思っていたもので、買った値段で売れたものもいくつもありました。

もちろんそんなものばかりではありませんが、いずれにせよ自分では物の価値が分かっていないことも多いようです。

なので、大切なものは早めに処分して、残ったものならゴミに出しても惜しくはないでしょう。

6 リユース&リサイクル

最近心がけているのは、使わなくなった物をなるべく捨てないでリユースすることを心がけています。

そうすることで、新たに物を買わないようになり出費が抑えられます。

これは、湯たんぽの袋を失くしてしまったので袋を作った事例です。

孫が小さい時に着ていた服を再利用したものですが、針と糸はダイソーで買いましたので製作費は200円でした。

でも、こんな小さなことでもうまく行くと満足感で心が一杯になります。

断捨離などと言って、やたらと処分する人がいますがよくよく考えてからにしたいものです。

たかが袋でも買えば数百円はしますし、気に入るとも限りません。

何ごとも自分でやる、小さなことの積み重ねが大切です。

7 まとめ

商売がうまく行かないので人生も行き詰ってしまった。

そんな風に思ったこともありましたが、よく考えてみれば、私には年金があるのでそれほど深刻に考える必要はありませんでした。

成功できなかった悔しい想いは残りますが、それはそれで仕方がないと諦めるしかありません。

生活していくうえで、一番かかる食費はほとんど手作りですし、お酒は1年以上前に止めました。

老後の不安?

そんなことを考えるよりも、とにかく健康を維持して死ぬまで個人事業主を続けること。

うまく行かなくても私はそうするつもりです。