山形県の食用菊で「もってのほか」というのがある。

食用菊と言うと一般的には黄色い花だが、これは淡い紫色で観賞用としても悪くない。

ま、花は小さいけれどね。

さて、何年か前に菊が大好きだと言ったら、それほど好きならともってのほかの苗をいただいた。

なので、このところ買わずに済んでいる。

実は、私は若いころ菊は苦いので好きではなかった。

ところが、出張で行った山形県の居酒屋で出された菊(もってのほか)のお浸しが抜群に上手かった。

もちろん苦みは全くない。

味だけでなく歯触りも最高で、それ以来やみつきになり、秋になりスーパーや直売所で見つけると必ず買って食べていた。

もちろんお浸しで、味付けは酢醤油。

もってのほかのお浸し

そんな大好きな菊の苗をもらったので、大事に栽培していたのだがそれほど沢山は獲れなかった。

ところが昨年の1月に垂直仕立て栽培を知ってから、もってのほかにも応用してみた。

支柱を立てて、紐で倒れないようにするだけだが、それまでよりも明らかに収量が多くなった。

そのため昨年は十二分に食べることができた。

しかし、驚くことに今年はその比ではなく、食べきれないほど沢山咲いている。

支柱を立てて倒れないようにしているだけ。肥料は与えない。

採っても採っても、後から花が次々と咲いてくる。

アブラムシも全く見られないし、昨年とは勢いがまるで違う。

しかし、いくら好きでも毎日食べるのは飽きてしまう。

色も鮮やかで、花もしっかりしている。

飽きてしまってはつまらないので、一日おきにしているが、今後は冷凍にしようと思っている。

長期間の保存は無理としても、お正月までくらいなら問題ない。

おせちの間に、鮮やかな紫色の菊のおひたし。

見栄えも縁起も良いのではないだろうか。

ところで、菊は多年草なので同じ場所でも大丈夫だが、2年くらいで植え替えた方が良さそうだ。

3年目になっているところは、日当たりの関係もあるが、あまり元気がない。

ま、株分けするだけなので簡単です。

もらった苗を無肥料で育てることはタダということ。

そんなことをやるのはもってのほか?

経済が回らないではないか!と言われそうだ。

ま、麻ひもを2mくらい使っているので、お金は一円もかかっていないと言えば嘘になるが、限りなくゼロに近い。

それだけでなく、日頃の管理もほとんどなし。

少し大げさですが、この国の物価対策に対するささやかな抵抗になりませんかね。