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【保冷実験】サーモプロテクトで保冷効果を向上させる

2021/04/06
 
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nonofho
ライフLABO(とちぎエネット)代表 太陽熱利用アドバイザー 真空管式太陽熱温水器を使った給湯や暖房で省エネ生活実践中。趣味は家庭菜園と季節のジャムづくり 栃木県在住。

 

とちぎエネットです。

 

エアコンが嫌い、あの冷たい風が嫌なんです。

そう感じている方も多いのではないでしょうか。

 

私も同じなのですが、そうかといって扇風機では涼しくないですね。

それから気化熱を利用した冷房器具もありますが、扇風機よりもややましな程度でそれほど涼しくありません。

 

結局のところ、冷房についてはなんだかんだ言ってもエアコンしかないのが現状です。

 

冷房にはエアコンが一番です。

 

一方で暖房にはあまりよろしくありません。

なんかちっとも温かく感じないし、電気ばかり食うので精神的にも良くない。

会社の事務室なら、冷房も暖房も電気代なんか気にせずガンガンかけるんですけどね。(笑い)

 

ただ、エアコンの暖房があまり評価が良くないのは日本の住宅事情にもよるのではないでしょうか。

きちんと熱を遮断している構造なら、もっと快適なのではないかと思うのです。

 

最近の住宅は、高気密高断熱と称してぶ厚い断熱材を使っています。

しかしながら、それほど費用対効果に優れているのでしょうか。

 

たしかに厚くすればそれなりの効果が見込めますが、いたずらに厚くすれば良いと言うものではありません。

そこにはきちんとした理論がなくてはなりません。

 

つまり、自然界の熱の移動を理解し対策しているのかどうか。

もしそうでないなら、無駄なことをやっていることになります。

 

今回は、遮断熱材であるサーモプロテクトSを使って熱の移動を実験しました。

厚さは、たった0.2mmのシートですが、ちょっとびっくりの効果です。

 

  1. 熱の移動を知る
  2. 厚い断熱材の功罪
  3. サーモプロテクトSとグラスウール10Kの比較
  4. トロ箱(発泡スチロール)で実験
  5. まとめ

 

1 熱の移動を知る

 

まず最初に理解すべきことは、自然界における熱の動きです。

自然界での熱の移動は、「対流・伝導・輻射(放射)」に分けられます。

 

下の図をご覧ください。

 

 

地球上の熱の移動(NASA)

 

太陽からの光(エネルギー)は、、最終的にはその殆どが反射して地球外に出て行ってしまいます。

しかし、その途中で色々なものに反射して熱を帯びて地球が温められているわけです。

 

このように太陽からは、電磁波のような形で地球に届いていることが分ります。

しかも、地球に存在する熱の70%以上が輻射熱であることに注目しなければなりません。

 

輻射熱対策は万全ですか?自然界における熱の移動を知って対策を考えよう!

 

反対に対流や伝導はたったの30%しかないんです。

これまでは、そのたった30%に対して断熱対策をしてきたのではないでしょうか。

 

2 厚い断熱材の功罪

 

家を建てるときには断熱材は必須です。

古くはグラスーウールが使われてきましたが、最近はウレタン系や発泡剤のようなものもあります。

 

このような材料は、厚くすればするほど断熱効果が高まりそうです。

中には20cmもの断熱材を使っているケースもあるとのこと。

 

一般的な断熱材。

 

しかしいくら寒い場所だからと言って、これほど厚くしていくと居住空間が少なくなってしまうのではないでしょうか。

お金も多くかかりますし、物事には限度があると思うのですが・・・

 

問題なのは、これらの材料が輻射熱を反射させることができるのか。

反射率が高いのは、金・銀・アルミなど。

 

簡単に言えば、キラキラしている素材ですね。

グラスウールやウレタンフォームの熱反射率が高いなんて聞いたことがありません。

 

つまり、厚くすることの意味は単に熱の移動を遅らせる効果、であることです。

 

遅れるだけだから、いずれ到達します。

もちろんあちこちに散らばって真っ直ぐには来ませんが・・・

 

断熱材を厚くする方法では、基本的に対流と伝導に対してのみ対策となってしまっています。

全体の70%の輻射熱に対してはほとんど効果がありません。

 

やはりここは考えを改めないと、いつまでたっても快適な生活は望めません。

 

3 サーモプロテクトSとグラスウール10Kの比較

 

サーモプロテクトSは、5層構造で高純度のアルミでできている厚さ0.2mmのアルミシートです。

 

 

熱貫流抵抗値R=3.96㎡・K/W

一般的なグラスウール10K 厚さ100mm  熱貫流抵抗値R=2.00・K/W。

 

熱貫流抵抗値は、グラスウール10Kの約2倍。

つまり、たったの0.2mmで20cmのグラスウールと同じ断熱効果であるわけです。

 

まぁ、そんなバカなと思われるかも知れませんが、数字は嘘をつきません。

 

それよりも私が注目したいのは輻射熱の反射です。

グラスウールでは輻射熱を吸収こそすれ、反射はまずありません。

 

結局やっていることは、熱の移動の30%、対流と伝導に対してのことなのです。

残り70%の輻射熱は全くの無防備であるわけですね。

 

4 トロ箱(発泡スチロール)で実験

 

今回はトロ箱(発泡スチロール)が手元にあったので、これを使って氷の保冷の実験をしたいと思います。

どれくらいの時間、氷の状態を保てるか。

 

正確な比較は難しいとは思うのですが、非常に面白い現象も確認できましたので参考にして頂ければと思います。

 

まずは、こんな感じで外側に貼り付けました。

 

 

サーモプロテクトSの貼り付けは、直接ではなくプラダンにいったん貼り付けてからにしてあります。

なかなか良く出来たと思っていたのですが、これは大失敗でした。

 

実に簡単に氷が融けてしまいます。

なぜか。

冷気がどんどん蓋の上から逃げていくのです。

 

写真を撮るのを忘れましたので、別の箱で再度実験したのが下の写真。

表面に曇り、はっきりと冷気が外に漏れていく現象が確認できます。

 

冷気が伝わる状況

 

このやり方ではまったく保冷の効果が無いことが分りました。

発泡スチロールもそれなりに保冷効果はあるはずなのですが、これほど簡単に冷気が逃げるのは本当に意外でした。

 

と言うことは、例えばアイスとか魚を買って長時間車に入れておくのはダメだということです。

これで、トロ箱に対する信頼は大きく揺らいだことは言うまでもありません。

 

さて、次に今度は内側にサーモプロテクトSを貼り付けました。

この形は背面に空気層が出来ますので、サーモプロテクトS本来の使い方となります。

 

 

また、継ぎ目は、サーモプロテクトテープを使ってます。

隙間が少しでもあると、そこから冷気が逃げていきますから、ここはしっかり塞ぐこと。

 

次に、トロ箱に保冷剤を入れて、中の空気を冷やしてから氷を入れます。

その上で、どれくらい氷が融けないかを観察します。

 

なお、保冷剤を入れないとボックス内の空気は完全密封ではないため、徐々に外の空気と入れ替わり、温度が高くなることによって氷は早く融けてしまいます。

保冷剤を入れても融けていくことには変わりはありませんが、あまり融けるのが早いと効果が分りにくいのです。

 

では、氷を入れて実験を開始します。

 

開始時間 13時13分

氷は冷蔵庫で作ったもので、質はよくありませんのであまり長くは持たないはずです。

 

8/31 13:13

 

温度は27.3℃ですが、これは入れたばかりなので気温よりやや低めの数字になっています。

 

2時間ほど経過しました。

やや融け始めていますが、なかなかいい感じです。

 

8/31 15:19

 

最初の実験では、30分も経たないうちに融けていますから、かなりの保冷力と言えるでしょう。

温度:11.2℃

 

4時間後の状況です。

だいぶ融けてはいますが、まだ氷は残っています。

温度:11.5℃

 

8/31 21:30

 

翌日5時52分の状況です。

さすがに氷は融けていますが、よく見ると温度はさほど上がっていません。

温度:14.6℃

 

9/1 5:52

 

 

4 まとめ

 

最初は、サーモプロテクトSをカットし、プラダンに貼って、さらに両面テープで外側に貼りました。

かなり面倒な作業でしたが、実験してみれば全く効果なし。

 

まさか、これほどダメとは思いませんでしたが、内側に貼ると保冷効果が十分に発揮されることも分かりました。

背後に発泡スチロールの空気層ができたことで、サーモプロテクトの性能が発揮できたわけです。

 

蓋の内側のサーモプロテクトS

 

蓋の上面からは全く冷気が出てくることはありません。

また、箱の内側がサーモプロテクトSになったことで冷気が反射して内部の温度上昇を防いでいるように思います。

 

冷気の反射

 

また、冷気の対流も起きているでしょうから外部からの熱も侵入しにくくなっているように思います。

 

そういえば、昔のお茶箱の中が銀紙で覆われていました。

昔の人は銀紙が熱を反射することを経験的に知っていたのでしょうね。

 

反対に、これで暖房だとしたらとても効果的だと思いませんか。

しっかりとサーモプロテクトで家を包んだら、よほど寒い地域でもエアコン暖房でも大丈夫かも。

 

まぁ、こちらは電気なのでつまらないかも知れませんが、快適な家作りの参考にはなると思います。

いたずらに断熱材にお金をかけるのではなく、きちんと熱の移動を理解して対策することが大切です。

 

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