今回は、なぜ太陽熱利用は広がらないのかを考えてみたいと思います。
2013年に起業して、この間それなりの経験をさせてもらいましたが、実態として一向に太陽熱利用が進んではおりません。
むしろ後退しているのではないでしょうか。
その理由は、度重なる消費税増税や新型コロナの蔓延などが大きいとは思いますが、それだけでは説明はつきません。
どうして太陽熱利用が広がらないのか。
陰謀論も含めて考えてみたいと思います。
なぜ太陽熱利用が広がらないのか
まず、太陽熱温水器が普及しないことに関しては、昔から色々なことが言われてきましたが、ハッキリしたことは良く分かりませんでした。
でも、私なりに分かりかけてきました。
簡単に言うと、
多くの人々の意識から太陽熱利用への関心を逸らされてしまった。
TVや新聞など、マスコミには一切載せない作戦ですね。
ネットには少し情報はありますが、関心のある人しかアクセスしませんから、全ては藪の中です。
太陽熱の偉大さは、生活の中で考えればすぐに分かりそうなのに、そのような思考にはならないわけです。
※白菜の漬物をするときは、2~3日太陽で乾燥させますが、燃料を使わなくても乾きます。
話題として取り上げるのは、最先端の発電技術がほとんど。
それはそれで素晴らしい技術だと思いますが・・・
一方で太陽熱は非常に少ないですね。
実際に太陽熱を使ってみてください。
こんなに凄いものはないと実感しますよ。
私の場合は、給湯と暖房をしていますので、少しくらい燃料価格が上がっても大した影響は出ません。
逆に言うと、太陽熱をたくさんの家庭で使われてしまうと、電気や燃料が売れないことになります。
陰謀論ではないですが、世の中は経済で動いているわけですから、商売の邪魔になるような製品は排除されます。
お金にならない=無視
つまり、どんな良いものであっても一般ユーザーには教えない。
さらに、元が取れないなどとネガティブなことを喧伝する。
このようなことが、ここ何十年と続けられてきたわけです。
一方で、太陽光発電は補助金が出るようになったこともあって、爆発的に増えました。
そして、売電で儲ける人が続出しました。
生活には電気よりも熱が必要
でも、よくよく考えてみれば、生活する上では電気をそれほど必要としていないことは明らかです。
2018年度では、冷房や動力・照明で37%にしかなりませんが、エネルギー源の割合を見ると電気が半分以上になっています。
これは、給湯や暖房を電気で賄っているからに違いありません。
若い方々は知らないかと思いますが、日本でも半世紀以上前は生活も貧しく、電気どころか燃料を買うお金もありませんでした。
そのために、太陽熱利用は盛んに行われたわけです。
それから時代は進み、豊かになったことで、多くの家庭が電気だけで生活しています。
新築住宅をみれば分かりますが、ほとんどはオール電化です。
建築会社も、エコキュートをはじめ、エアコンやIHヒーターなどの電化製品がたくさん売れるので儲かります。
試しに、新築時に太陽熱温水器を入れたいと聞いてみてください。
太陽熱温水器なんて入れても元なんか取れませんよ
これですね。
でも、よく考えてみてください、元が取れる機器なんてあるんですか。
問題は、いかに安定してランニングコストを低く抑えられるか、です。
太陽熱はタダですが
もう一つ、太陽熱をどうしたらうまく使えるのか分からない。
これも大きなネックです。
皆さん、あまりにも太陽熱に関する知識が少なすぎると感じます。
これまでは、この点についてあまり意識していなかったのですが、ソーラーエアーヒーターをある会社に販売したことがきっかけで認識を新たにしました。
具体的なことは書けませんが、立派な会社の技術者が太陽熱の採熱方法について理解ができていなかったのです。
太陽熱は、蓄熱してから使うもの
これを知らなかった。
電気ヒーターなら、スイッチを入れれば温風が出てきますが、ソーラーエアーヒーターは太陽熱を蓄えなければ使えません。
これにはちょっとショックを受けてしまいました。
たとえば、太陽熱を上手に使えば、農産物を効率的に乾燥させることができます。
いわゆる天日干しですが、そこで思考停止してしまうわけです。
※干し芋づくりには、太陽に当てるだけでなく温風を送ると早く乾かすことができます。
太陽熱を積極的に使う発想が出てこない。
ソーラーエアーヒーターを使って商売をしてみてはいかがですか。
農産物や海産物の乾燥物を作るなら、電気をほとんど使わなくても良質の製品ができます。
しかも、オールシーズン使えるので、費用対効果が非常に高いのです。
まとめ
正直言うと、太陽熱温水器はもういいかなと思っています。
これもあまり普及はしていませんが、それでも多くの業者さんがいて、販売もされています。
でも、ソーラーエアーヒーターなら私のところだけで、日本ならオンリーワンの製品です。
4年ほど前にサンプルを輸入してテストをしてきましたが、概ね性能は分かったものの、具体的な利用方法はまだこれから。
成功事例を示せないのでは、いくら提案などしても無駄というものです。
今年は、ようやく協力者が現れましたので、少し前に進められると思っています。