【太陽ポットの自作】小さい真空管(200ml)の実力はいかに

とちぎエネットです。
昨年の大日向マルシェの最終日、デモ用の太陽ポットが強風に煽られ倒れた看板の下敷きになり、壊れてしまいました。
大損害。(涙)
見た目にはさほど被害はなさそうですが、真空管を外してみるとやはり先端部分が粉々になってました。
まぁ、これが爆発だとえらいことになりますが、中が真空なので爆縮して飛散しないのですね。
と言うことで、壊れたまましばらく放置していましたが、サンプルの小さな真空管を使って1人用の太陽ポットを作ることにいたしました。
- 真空管サイズ
- 壊れた太陽ポットの反射板を使う
- 問題点と改善策
- 採熱力を採点する
- まとめ
1 真空管サイズ
今回使う真空管は、Φ47mm×30cmと径も細く、長さも短いもので、容量も200ml程度しかありません。
コップ一杯分ですが、太陽熱温水器の勉強をするには悪くないと思います。
この真空管は、国内の大手が扱っているもので、結構なお値段のするものですから侮れません。
2 壊れた太陽ポットの反射板を使う
太陽ポットの本体は、台の部分と反射板及びキャップに分かれていますが、今回は、真空管の径が細いので台と反射板の片側のみを使います。
写真は完成した状態ですが、台に反射板を接着剤で固定しています。
ところで、今回の工作で一番工夫しなければいけなかったのは、ガラス真空管の先端部分の保護でした。
ガラス真空管の先端は、製造の過程で空気を吸い取った後、細く絞ります。
なので、ここが欠けると真空ではなくなってしまいます。
使っている台は58mm用なので、真空管は47mm、かなり細いため隙間が開きます。
そのため、中に発泡スチロールなどで埋めることも考えたのですが、工作がしにくいため以下のようなアイディアを思いつきました。

真空管先端の保護。
簡単に説明すると、ペットボトルのキャップを被せただけです。
これで先端を気にすることなく自由に扱えるので、とても使いやすくなりました。
それから、真空管が外れて倒れないようにバンドを中間に設けます。
バンドは、仕事の残り物を再利用しましたが、途中に突起があるので、バンドがずり落ちないのも好都合でした。
3 問題点と改善策
何回か使ってみて、カバーが少々長いので少しカットしました。(写真)
これで真空管が取り出しやすくなりましたし、安定性も増しました。
キャップは最初が間に合わせだったので、色々考え、最終的にフィルムケースにサーモプロテクトを貼りました。
中が空洞(静止空気層)なので遮熱になっているのも、理論どおりです。

フィルムケースを使用
4 採熱力を採点する
次に採熱力を調べてみました。
1月30日
8:40 13.8℃
11:52 75.0℃
冬の早朝の光は弱いですから、約3時間で61℃上昇はまずまずではないでしょうか。
ま、10時のコーヒータイムには間に合いませんでしたが・・・
もし間に合わせようとするなら、予め40℃くらいのお湯を入れておくのが良いかも知れません。

今回は紅茶を淹れて見ました。
この真空管は、細く短いので使いやすいのですが、やはり採熱能力の点でバランスが悪いように感じました。
もっと大きな反射板でも用意すれば良いかも知れませんが、それだと使い勝手が悪くなってしまいます。
採点は70点です。
5 まとめ
今回は、部品を集めて作ったのでさほど期待はしませんでしたが、工作としては案外うまく行ったように思います。
それから、あまりに小さいと集熱面積が小さくなるため採熱量が不足するようです。
やはり、真空管は太くて長いほうが有利なことが良く分かる事例でした。
ただ、それも取り扱いやすさなど、全体のバランスが求められるのは言うまでもありません。