季刊地域にはWinter2018でとちぎエネットを紹介していただき、それがきっかけで定期購読を決めました。

これは私の生き方と一致しているだけでなく、豊かな生活のヒントがたくさん載っているからです。

特に自然を利用する上ではできるだけお金をかけないことが肝心で、そのためには知恵と創意工夫が不可欠なんですね。

お金がなければ頭を使う。

もちろんうまくいくばかりではないので試行錯誤も多くなりますが、そのプロセスは楽しく飽きることはありません。

生ごみはゴミじゃない

さて今回の「季刊地域Winter2019」のテーマは「ごみ」です。

ごみといっても、生ゴミからプラスチックや金属など多様なものがありますが、中でも私が関心があるのはやはり生ゴミです。

もしも、多くの人々がゴミと思うものがお金になったら痛快ではありませんか。

私の販売しているADパウダーも実は産業廃棄物でした。

ホタテ貝の養殖は北海道や青森県などで盛んに養殖されていますが、食べるのは貝柱だけですから、貝殻は利用価値が無く産業廃棄物として野積みにされ悪臭を放っていたそうです。

しかし、貝殻から素晴らしい抗菌消臭剤が開発されたことで貴重な資源として扱われるようになっています。

同じように、家庭から出てくる生ゴミも元はお金を払って買ってきたものですから、再利用の道があるなら使わない手はありません。

その代表的なのが堆肥化です。

堆肥にすれば大幅に減容できますから、農家でなくても家庭菜園やプランターで野菜や花を栽培すれば全てリサイクルできます。

今回の記事の中で、生ごみのリサイクルはたったの20.3%(2016)とあります。

我家では100%が当たり前なのですが、実態はそんなものとは思いませんでした。

コンポストで生ごみ堆肥を作る

生ゴミの堆肥化は、一時期環境意識が高まってコンポストが普及したはずなのですが今ではあまり聞かないですね。

残飯などを投入するだけではやはり臭いし、虫も大量に湧くので長続きはしなかったのかもしれません。

でも、生ゴミを再利用しないのはやはり自然の循環が途切れてしまうことになります。

排泄物の再利用は今の時代では難しいことですが、最低でも食べ物の残渣(生ゴミ)くらいはコンポストを使って土に返したいものです。

そこでお薦めなのが、「米のとぎ汁乳酸菌」の培養です。

これは飯山一郎先生の提案ですが、EM菌のように購入する必要がないもので誰でも作れます。

しかもその効果は絶大ですから是非トライしてみたはいかがでしょう。

コンポストは2台用意して、1つ目が満杯になったら堆肥になるまで半年ほど寝かせます。

その間は、もう1台に生ゴミを投入します。

つまり半年後ごとにローテーションするわけですが、こうすることで切れ目なく生ゴミを堆肥化することができます。

コンポストの脇の土は出来上がった生ごみ堆肥

米のとぎ汁乳酸菌を使った場合でも、虫が全く湧かないわけではありませんが非常に少ないですし、臭いは少し乳酸菌の酸っぱい臭いはしますが腐敗臭ではありません。

さらに、投入した生ごみが見えないくらい土を被せると虫が発生しないだけでなく早く堆肥化します。

土をかけると虫が湧きにくい。

米のとぎ汁乳酸菌の使い方は、先に生ごみのバケツに0.5~1リットル程度を入れ、そこに生ゴミを投入して満杯になったらコンポストに入れます。

一般的に生ゴミのバケツは毎日処理しないと臭くなるのですが、乳酸菌を入れておくと酸っぱい臭いがするだけでいつまで経っても臭くはなりません。

どうやら腐敗菌が死ぬかいなくなってしまうようです。

バケツに乳酸菌を入れておき、そこに生ごみを投入します。

なお、米のとぎ汁乳酸菌の作り方は以下の通りですが、上手くできない場合には、ネットで調べるとたくさん出てきますからそちらを参考にして作ってみてください。

慣れてしまえば実に簡単です。

<米のとぎ汁乳酸菌の作り方>

米のとぎ汁  ペットボトルに2L弱(最初のものだけ)

糖蜜(黒砂糖でもよい) 60g(3%)

※普通の砂糖でも大丈夫なようですが、ミネラルが多い糖蜜や黒砂糖の方がよく発酵するようです。

粗塩     20g(1%)

これを混ぜてよく攪拌して一週間ほど放置します。

注意:米にいる菌は嫌気性なのでペットボトルの蓋を閉めておきますが、次第に強い発酵をしますので蓋は緩めておかないと膨張して破裂することがあります。

なお、発酵に適した温度は25℃以上で、20℃以下の気温では保温が必要です。

早々に小松菜とホウレンソウを蒔いた

これは、【春の種まき】ホウレンソウと小松菜を生ゴミ循環栽培で作るの追加報告となります。

肥料は、コンポストで作った堆肥のみです。

小松菜とホウレンソウの種は3年前に買ったものですが、畑が小さいため春と秋に蒔いても使い切れません。

しかし、古い種でも芽が出ないのもありますがこれだけ出れば合格でしょう。

このところ朝晩が冷えますが作柄はいたって順調です。

季刊地域の記事にもあるように、生ゴミだけで野菜を栽培すればプロの方は大儲けできますからやってみてはいかがでしょう。

まとめ

もしかしなくても、コンポストの堆肥化は簡単なようで継続するのが難しいことです。

生ゴミは毎日発生しますし、コンポストに入れるよりもゴミ収集車に持って行ってもらった方が面倒ありませんからね。

しかし、世の中は便利な生活をするにはお金が必要です。

たかが生ゴミ程度と簡単に考えていると、長い間には大変なお金がかかることを考えておきましょう。

燃えるゴミに出す場合、週に2回として月に8枚。年間では92枚となります。

大田原市の場合、燃えるゴミの袋(45ℓ)が10枚で300円くらいです。

となると

92枚×30円=2,760円となります。

これを何十年も続けることを想像できなければ、あなたは貧乏になっても文句は言えません。

たかがゴミ袋、でもただじゃないんです。

米のとぎ汁は、昔から栄養価が高いことで知られており排水口に流してしまうのはもったいないものです。

乳酸菌づくりに使わないときは、家庭菜園や木の根元などにかけておくと野菜や樹木が良く育ちます。

私たちはすぐに損得を考えがちですが、少々お金や手間がかかっても、やはり自然のものは自然に帰す努力をすべきと思います。

少しの努力が生活の好循環を生みだし、健康だけでなく経済的にも豊かになれるはずです。