水道水の温度変化から太陽熱温水器の必要性を考える。

私が太陽熱利用をしませんか、と言っているのは単にタダのエネルギーだからではありません。
給湯に関して言えば、夏と冬では使うエネルギーが大きく違ってきます。
夏は暑いのでさほど燃料費はかかりませんが、冬は気温が低いために早く冷めてしまいますからより多くの燃料を消費しなければなりません。
つまり、冬を対象に太陽熱利用を考えないといけないことになります。
よく「平板式(従来型)の太陽熱温水器でも結構な効果があるんです」と聞くことがありますが、もちろんそうですけれど、違いは冬にあるわけです。
この方式では、冬の寒い時期では温める傍から冷めてしまい利用するまでには至りません。
そのため、冬でも冷めない真空管式の太陽熱温水器が開発わけです。
どんな太陽熱温水器でも効果が同じなんてことはありません。
水道水の年間変化
それでは水道水の温度変化はどうなっているか、グラフで見てみましょう。
冬は冷たく夏は生ぬるいことくらいは誰でも知っているとは思いますが、年間を通してどうなっているのか分かっている人は少ないと思います。
以下のグラフは、我が家の真空管式太陽熱温水器(分離分割型)の温度計で計測したものです。

数値は月平均温度です
なお、温度はタンク内の温度なので外気温に影響されますので、地中の水道管の温度とは違いがあることをご了解ください。
また、団地などで大型の貯水タンクを設置して配水している場合は同じかと思います。
このグラフは2020年1月から2021年3月までのものですが、朝の最低温度は以下のようになっています。
最低温度 5.0℃(2021.3)
最高温度 24.4℃(2020.8)
その差19.4℃もあり、単純に水温といっても年間にこれだけ大きく変化しているわけです。
夏は楽だが冬は厳しい
さて、真冬の水温は5℃しかありませんから暖かいお風呂に入るにはかなり燃料を使わないといけません。
一般的にお湯張り温度は41℃くらいですが、それだと36℃分を沸かさなければなりません。
逆に夏なら水温が24℃以上もありますから、17℃程度と約半分で済んでしまいます。
つまり、冬は夏の倍の燃料を使っている計算になります。
これでなぜ私が、「冬に使える太陽熱温水器でなければダメだ」と声高に言っている意味をご理解いただけると思います。
冬はさっぱりで、夏に性能を発揮する太陽熱温水器なんてどうしようもないですからね。
水温が低い時期の昇温には真空管式太陽熱温水器を使う
なぜ真空管式の太陽熱温水器が冬に強いのかは、以下の記事をお読みいただくと分かると思います。
「真空は熱を通さない」、理由はこれに尽きます。
まとめ
これほど地球温暖化が危惧されている状況の中で、話題になるのは太陽光発電ばかりでなんとも忸怩たる思いがします。
太陽熱温水器は僅かな投資で燃料は大幅に節約できてしまうので、お金にならない、儲からないことは今の世の中では相手にされません。
それが環境やモラルに対して悪くてもです。
金儲けのためなら地球が亡びてもいい
そんな亡者が全世界にいるわけですが、私はそのような方々とは与しません。
できるだけ少ない消費で快適な生活を目指していますから、使いきれないほどのお金なんて必要がないんです。
なお、現在は真空管式太陽熱温水器の販売は見合わせております。
暖房に使わずお湯を沸かすのみの場合でも、ソーラーエアーヒーターをご検討ください。
値段は少し高くなりますが、性能はもちろん耐久性やメンテナンスを考えても十分おつりが来ると思います。