とちぎエネットです。

 

太陽熱温水器を設置するのに、一番気になるのは設置費です。

当然ながら機種や設置場所だけでなく、配管材などの材料や部品など様々な要因で違ってくるわけですが、とりあえずザックリとですが解説してみたいと思います。

 

  1. 型式別設置費用概算
  2. 部品の調達
  3. 設置と外注方法
  4. まとめ

 

1 型式別設置費用概算

 

温水器のタイプは大きく分けて3種類です。

 

<自然落水型>

水を高いところにポンプで押し上げ、自然落水でお風呂にお湯を供給するタイプです。

水の供給は電磁弁方式と電気を使わないボールタップ方式があります。

 

水圧が低く、平行してお風呂以外の台所や洗面台などでの利用には向いていませんが、構造がシンプルで価格が安いのが特徴です。

自然落水型(電磁弁制御タイプ)

 

自然落水型 給湯模式図

 

 

(設置費の概算)

材料費 3~5万円(管材・バルブ・エルボなど)

※ミキシング弁は必須ではありませんが、あれば便利です。家庭用なら、1万円前後の安いもので問題ないと思います。

人件費 10~13万円(2人×2~3日)

クレーン 5万円程度

2階などの高い屋根にタンク一体型を載せる場合です。足場がある場合は人力でも大丈夫ですが、落としたり怪我をしないよう注意が必要です。

 

自然落水型は、温水を落水させるために3m以上の高低差が必要なことから屋根などに設置するのが大半です。そのため、作業の効率が悪いだけでなく、屋根の形状や材質などで違いが大きく費用が異なります。

 

<圧力型>

このタイプは水道圧に貯湯タンクが耐える構造のため、給水管に接続し給湯全体で使用することができます。

水圧が確保できる範囲ならどこでも設置が可能ですが、タンクが重いので地上に置くのがメンテナンスも簡単で理想です。また、電気を一切使わないので災害など停電時にも使うことができます。

 

圧力型は、真空管が割れても漏水することがありません。

 

圧力型 給湯模式図

 

(設置費の概算)

材料費 5~8万円(管材・バルブ・エルボ・ミキシング弁・フレキ管など)

設置費 10~15万円

クレーン 5万円程度

2階などの高い屋根にタンク一程度体型を載せる場合です。足場がある場合は人力でも大丈夫ですが、落としたり怪我をしないよう注意が必要です。

 

自然落水型に較べ格段に重いので、人力でタンクを屋根に持上げるのは容易ではありません。

なお、温度調節のためのミキシング弁は必須です。家庭用なら1万円程度のもので問題ないと思います。

 

<分離分割型>

このタイプは、地上に置く貯湯タンクと採熱系が分離されているもので、採熱器は軽量で屋根に設置することを前提に考えられています。

 

特徴は、貯湯タンクと採熱器が分かれているため、熱交換は循環ポンプ及びコントローラで行います。

タンク容量と採熱パネルは、用途に応じて自由に組み合わせることができます。

価格もそれなりに高くはなりますが、大家族や事業向けとしては十分に費用対効果が発揮できるものです。

 

タンクは地上、採熱器は屋根に設置します。

 

分離分割型 給湯模式図

 

(設置費の概算)

材料費 5~8万円(管材・バルブ・エルボ・ミキシング弁・フレキ管など)

設置費 8~10万円

クレーン 不要

 

分離分割型の貯湯タンクは地上に置きますので、設置は簡単に行えます。

また、採熱器は屋根でも地上でも問題なく、組み立ても簡単です。

 

2 部品の調達

 

これはホームセンターやネットショップで全て調達可能です。

ただ、一般的には配管材や関連部品の知識が無いでしょうからかなり不安かと思いますが、業者にマル投げしていたのでは高額の料金を取られることもあります。

何万円も違ってきてしまいますので、できることは自分でやってみることがコストを下げるコツです。

 

この図は圧力型のケースですが、太陽熱温水器の設置は非常にシンプルであることがお分かりいただけると思います。

やったことのないことは難しく感じますが、配管工事は素人でもできるものです。

 

タンク一体型(圧力型)の配管模式図)

 

 

温水器のタンク周りの部品(圧力弁・負圧弁・逆止弁など)は標準で付いてきますが、それ以外の配管材やミキシング弁・フレキ管などを購入する必要があります。

 

図では配管材にアルミ三層管としていますが、耐熱用のポリエチレン管でも大丈夫です。

ホームセンターなどで手に入りますが、ネットショップとの比較もしてください、かなり違います。

ただ、分らないことなどがある場合には、詳しく教えてくれるお店が良いと思います。

 

なお、サイズは通常13Aを使います。(一般的な屋内配管のサイズです)

つまり、バルブ類やエルボやザルボなどはこのサイズで揃えれば全く問題はありません。

 

あまりなじみの無いミキシング弁とは、太陽で熱くなったお湯を冷水と混合させる装置です。

通常は38℃にセットして給湯器に送りますので、良く言われるボイラーが熱いお湯で壊れることなどあり得ません。

この周辺は、曲げ加工が多いのでフレキ管(13A)を使用します。

 

ミキシング弁回り

 

 

3 設置と外注方法

 

このように、真空管式の太陽熱温水器はとても簡単に組み立てることができます。

部材も少なく、使う道具もドライバーとモンキースパナでほぼ組み立てられるはずです。

 

ただ圧力型の貯湯タンクは大きく重いので、一人ではできない部分もありますが、そこをクリアすれば1人でもコツコツやれば数日で終わります。

 

興味のある方は、下記の記事をお読みください。

【 特殊技術は不要】誰でもできる真空管式太陽熱温水器の設置(圧力型)

 

タンクとフレームの組み立て

 

ただし、給水管の分岐は多少の専門的知識が必要で、漏水の心配もありますから自信の無い方は業者にやってもらう方が無難です。

ここは無理をしないことが肝心で、漏水に気づかずに水道料金を多く払うことだけは絶対に避けましょう。

 

給水管の分岐。中央が仕切り弁、左が温水器へ、右が温水器からとなります。

 

ここは、配管を切る道具も要りますし、そのために何万円も出すのはバカらしいと思います。

費用はバルブ代を含めても2万円くらいでしょうから大したことはありません。

 

4 まとめ

 

技術を得るためには、そのための時間と労力とお金がかかります。

つまり、プロに依頼する場合にはそれ相応の負担することは当然ですが、言いなりに支払ってしまうのも考え物です。

もし、こちらがある程度設置に関する知識があるなら、余計な材料を使われたりすることもなく、十分な仕事をしてもらえるはずです。

 

マル投げで業者に頼むのではなく、できるところは自分でやってみてはどうでしょう。

勉強にもなるし、何か不具合があったときにも役に立ちます。

 

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