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【分離分割型】運転調整における留意すべき点

2019/09/29
 
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nonofho
元地方公務員。農業土木技術者。農業基盤整備の設計・施工に係わること42年、そのノウハウを生かして自然エネルギーの有効利用を考えています。栃木県在住。

 

とちぎエネットです。

 

今回は、分離分割型の運転調整の留意点を説明します。

分離分割型は、タンク一体型に較べ設置ケースが圧倒的に少ないため、設備業者でも知っている人はごく僅かです。

この方式は、採熱方法が循環水による熱交換となっていますのでタンク一体型よりも構成がやや複雑となっていますが、実はさほど難しくはありません。

 

やってみれば、こんなものかという程度ですが、運転調整に関しては少々経験が必要になります。

 

なお、分離分割型についてはこちらの記事をご覧ください。

【物が違う】太陽熱温水器は「分離分割型」を選ぶべき5つの理由

 

分離分割型太陽熱温水器の設置イメージ

分離分割型のイメージ

 

この図を見ると一見複雑そうですが、コントローラや循環ポンプなどは最初から組上がっており、配管作業と若干の電気配線ですから誰でもできるものです。

※電熱器(左上)は付けません

 

大事なことは、どんな機械でも設置しただけでなく、正しく機能しているかを確認しなければならないことです。

そのため、正常に動いているかを一定の時間をかけて観察・調整するのが運転調整作業です。

これをきちんと確認しておかないと、最初は動いてもいつの間にか循環ポンプが停まってしまったり、採熱が思うようにしないこともあります。

 

実のところ、かなり苦労して理解したので本当は誰にも教えたくないのですが、この機種をもっと使っていただきたいと思い公開します。

 

(試運転に際して留意すべき事項)

1.水漏れの有無

2.循環ポンプの作動音

3.採熱状況の確認

4.まとめ

 

1.水漏れの有無

 

最初に確認することは、配管からの漏水がないかどうかです。

僅かな水漏れでも見逃さないよう、保温材は巻かないでしばらく運転します。

 

もし、漏水箇所が見つかったらポンプを停めて対策をします。

対策が終わったら、再度循環系に水を注入します。

 

 

この時、注意しなければならないのは配管内に空気を残さないことです。

配管の中に空気が残ると、それが邪魔をして水が流れません。

 

ちなみに、漏水すると空気が入り、こういった現象に繋がりますので確実に漏水は止めておくことが重要です。

 

コントローラと圧力ゲージ

 

 

それから、水を注入する時に注意すべき点は、右側の圧力ゲージの針が一定程度上がっている必要があります。

いったん、この程度で水の注入をやめて循環ポンプを回します。

 

ここでの確認は、圧力ゲージの針が下がらないかどうかです。

配管のどこかに水漏れ箇所があると、次第に圧力が下がります。

 

圧力が下がると、水が循環しなくなり、ポンプが空回りしてポンプ自体が熱くなってきます。

正常な状態では温かい程度の温度なので、触れないほど熱いと感じたら正常でないと思ってください。

 

 

2.循環ポンプの作動音

 

循環ポンプに使われているものは中国製ではなく、ドイツのWIRO社のものを使っています。

運転音は、正常なら非常に静かです。

 

もし、シュワシュワと大きな音がするようでしたら空気がかなり入っていますので、水を注入しながら空気抜きを行ってください。

やり方は、注入口の下側にバルブがありますから、そこを少し開けて空気を抜いていきます。

しばらく運転して静かに回転するようになったらバルブを閉めます。

 

※多少空気が入っていても、それなりに循環して採熱はすることはあるのですが、能力がいくらか落ちるようなのでやはりここは拘っておく必要があります。

 

3.採熱状況の確認

 

採熱をしているかどうかは、コントローラの温度表示を見ていればわかります。

下の写真は採熱器(1)の温度を表示していますが、採熱器に太陽が当たるとどんどん温度が上昇します。

そして、タンク内の温度(2)との温度差が8℃になると循環ポンプが作動するようになっています。

 

採熱器の温度表示

 

ポンプが作動し、正常であれば採熱器(1)の温度がどんどん下がります。

これが大きなチェックポイントになります。

当然ながら、タンク内の温度が除々にですが上昇します。

 

 

貯湯タンク内の温度表示

 

ところが、いつまで経っても温度が上昇しないことがあります。

その場合には水がうまく循環していないことになりますが、ポンプの故障はまずありません。

エアを噛んでいる可能性が高いので、エア抜きを行ってください。

 

 

写真のように、水を注入しながらネジを緩め、しばらく循環させると空気が抜けてきます。

上手くいくと、ポンプからシューと音がして水が流れ、採熱器の温度が下がり始めます。

そうなったらバルブを閉めます。

 

しばらく運転を続け、当初の水温から何度上昇したかを記録しておきます。

真空管式太陽熱温水器の設計は、晴天で一日中晴天であれば、水温よりも30~40℃上昇するようになっています。

もし、あまり温度の上昇がないようでしたら、再度採熱状況を確認してください。

 

まとめ

 

分離分割型の真空管式太陽熱温水器は、複雑でちょっと面倒な部分もありますが、要領を覚えてしまえばタンク一体型にはない良さと面白さがあります。

値段は高くはなりますが、タンクを室内に置けるので極寒冷地の使用でも問題はありません。

 

地球温暖化で大規模な気候変動が予測されている現在、私たちは太陽熱利用をもっと積極的に行わなければならないと思います。

ライフLABOがお役に立てれば幸いです。

 

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nonofho
元地方公務員。農業土木技術者。農業基盤整備の設計・施工に係わること42年、そのノウハウを生かして自然エネルギーの有効利用を考えています。栃木県在住。

Comment

  1. ひろ より:

    コメント失礼します。
    自分は去年FujisolというメーカーのIP522という真空管温水器を設置しました。
    ですが次第に温圧弁からの排水が多くなり夜でも水が漏れるようになり弁の交換をしました。
    しかしまた最近排水がおおくなってきました。
    このような不具合は他の温水器でも経験されたことはありますでしょうか?
    ちなみにメーカーの配管セット以外にこのホームページを見てタンク入水口に逆止弁を追加してあります。

    • nonofho nonofho より:

      ひろ様

      FujisolのIP522仕様を調べさせて頂きました。

      お悩みの温圧弁ですが、これは当社製品では圧力弁と称しているもので、タンク内の温度が温度上昇に伴い圧力が上がり過ぎた場合に、タンクを守るため外部に圧力を逃がす装置です。

      ご指摘のような漏水は正常に温度が上昇していることを示していると考えられますが、夜でも水が漏れるのは確かに変ですね。
      温圧弁を取り付け部からの漏水はありませんか。
      だとするとタンクの構造に起因するのかも知れません。(Fujisolにお問い合わせください)

      >このような不具合は他の温水器でも経験されたことはありますでしょうか?
      このようなケースはありませんが、温圧弁は名称が違うだけで同じものと思われます。

      >タンク入口に逆止弁を追加してあります。
      逆止弁は、水道水が止まったときにタンクから水が逆流して機器の損傷を防ぐものです。できれば、注水側に入れておくと安心です。
      通常は標準で付いているものなのですが。

      なお、気になったのは負圧弁がこの機種はないのですね。
      圧力型は常時満水(エアがない状態)ですので負圧はかかりませんが、ちょっと気になりました。

      以上、正確に答えられていないと思われますので、解決しない場合には再質問してください。

      よろしくお願いいたします。

      野澤

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